P.146-153 ヤマハEXULT-36Sport Salon

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クルージングに必要な装備・備品と係留の基礎知識&クルージングの実際

海・船を愛する人ならいつかは実践してみたいと憧れるロングクルーズ。このコーナーでは、クルージング計画を立てることから始まり、準備するものや旅先での係留の仕方など約1ヶ月かけて実際に1200マイルを走行してきた経験を交えて安全に楽しく航海するためのノウハウ・テクニックを紹介いたしました。

1、ボートの能力にあったクルージング計画
2、入港先での係留
3、必要な装備と備品
4、クルージングの実際(葉山~広島往復)
5、クルージングに適した備品

クルージング艇:ヤマハEXULT 36 Sport Saloon
主要諸元 全長:11.98m 全幅:3.97m 全深さ:2.33m 
完成質量:10.25kg 搭載エンジン:VOLVO IPS450×2 
搭載エンジン出力:330ps×2 燃料タンク容量:900ℓ 
清水タンク容量:230ℓ 
FB定員7名 定員12名 航行区域:沿海

1、ボートの能力にあったクルージング計画

セイリングクルーザーの場合はセイルで航海することが多く、エンジンに関しては風の状況によっては使うこともありますが、出入港時に使う程度と考えることで良いように思います。従ってエンジンの大きさや燃費を算出してクルージング計画を立てることは最重要なことではないと考えます。
しかし、エンジンに頼るパワーボートの場合、燃料の積載量や燃費、自船の持つ航行能力や性能をしっかりと把握していないとクルージング計画を立てることはできません。

まずは自船の航行能力や性能を知ることが重要
・艇の性能と操船者の運転能力で、どの程度の気象海象状況(風速と波の高さ)まで安全に航行出来るかを把握する。
・燃料タンクの容量、燃費に関しては巡航速度(燃費が良い速度)と最高速度の燃費を把握する。海況や乗員数、荷物の量等によっても変化があるので、ロングクルージングに行く前には近場で実際に船を走らせてあらかじめ測定しておくことも必要になります。
注)荒れた海の状況で燃料タンク内の残量をどこまで使うことが出来るかを調べることも重要です。メーカーに聞くと「10%の残量まで使えます。」と言ってくれるところもありますが、通常の場合20%以下は危険範囲と言っていいと思います。

無理のないクルージング計画案
・目的地を決める。(寄港地、緊急入港先等も入念に調べることが重要)
・コースを決める。(クルージング海域の潮流の方向と流れの強さを調査)
・ロングクルーズの場合、気象状況が安定している季節・時期を選ぶ。
・目的地、寄港地、緊急入港先等の港内外の様子や入港方法を調べる。(日本水路協会のSガイド港湾案内や航空写真等が便利)
・出港時刻、入港時刻を計画し、入港時刻にはタイムリミット(制限時間)を設け寄港先・関係者に伝えておく。
注)タイムリミットを超えても入港時刻の連絡がない場合には、BANや保安庁に連絡してもらう等のルールを決めておくことも重要です。
・安全な係留場所と給油先の確保。
・船中泊の場合は、風呂(旅館や銭湯)や飲食店(居酒屋を含む)を調べる。
・その他、スーパーやコンビニ、観光名所等も前もって調べておくと便利です。

瀬戸内海をクルーズするのに大変便利な海図
「NPO法人 瀬戸内海の水域の秩序ある利用を進める会」が販売しているクルージングマップ in 瀬戸内海 ¥12,800(税抜)
・瀬戸内海国立公園から四国、南九州までをカバーした新瀬戸内パノラマ海図です。
・これまでの海図には無かった、ガイドブック並みの豊富な観光情報が掲載。
各地の寄港ガイドとして、みどころ・歴史・景勝地・宿泊情報・グルメ情報・買物情報航海術・海洋情報・橋情報等が紹介されています。

今回のクルーズでは、行きは鳴門海峡の南側、帰りは北側を通ってきました。

来島海峡で最も四国寄りに位置する馬島から四国今治を見る。

2、入港先での係留
係船は潮の干満に合わせて上下に移動する浮桟橋への係船と全く上下しない岸壁への係留に分かれます。

浮桟橋係留
係船場所が潮の干満に合わせて上下してくれる浮桟橋や給油船等の場合には、フェンダーで船体を保護してロープでしっかりと固定することで良いと思います。

岸壁係留
係留場所が岸壁の場合、船は潮の干満に合わせて上下しますが岸壁はしません。従って潮の干満に合わせた係船ロープの適切な取り方が必要になります。注意することは以下の内容になります。
・潮汐表等で係留場所の干満の差を出し、係留時の潮位を確認する。
・干潮時の潮位を確認し、干潮時に係船ロープで船が吊られないようにする。
・干潮時にロープの長さを合わせると満潮時には弛むので、スプリングラインを取ることで対策することが必要です。
・干満の差が2mを超えるような場合は、3時間に一度は係船策の調整が必要です。
・岸壁係留に耐えられる丈夫なフェンダーと係船策にはスレ止めが必要です。

 
 
注)桟橋や岸壁側でロープを調整すると通路の邪魔になります。

常識的な係留のマナー
係留時に、自船のクリートに係船策の端(ループ側)を止めてから陸側に向かってロープを放り投げ、陸にいる人の方が受け取ったロープで船を引っ張ってビットやクリートに慌てて止めている光景をよく見かけます。基本的な方法は、陸側の人に係船策の端(ループ側)を渡して岸壁のビットやクリートに固定してもらいその後、自船をコントロールしながらロープを絞り込んでいって自船のクリートに止めることです。
※船側のクリートにロープの端(ループ側)を止める場合は、乗船者が少人数で船から降りて陸側に固定するケースですが、動けるクルーがいる場合や陸側に頼れる人がいる場合は、陸側は固定するだけで船側の方でロープを調整するのが最も良い方法です。
同じくよく見かけることですが、着岸の際にクルーがロープを持って船から飛び降りるケースです。係留の基本は、船を停めて陸側風上のクリートに船からのロープを固定することですから、船の行き足を止めた上で船首、船尾に関わらず安全な場所から船を降りることが重要です。そして風上側のロープを固定してしまえば、後は余裕を持って他のロープを固定すれは良いわけです。船から飛び降りるようなことは危険ですので控えたいことです。

3、必要な装備と備品


クルージングに必要な装備としてまずは航海機器が気になるところです。
GPSプロッター、魚探までは備えている船が多いのですが、「レーダーは要りますか?」という質問を多く受けます。私は夜出ないから要らないと決めつけている方がいますが、数日かけて長時間航海するクルージングや5月から7月の霧が出る季節等にレーダーで自船の周りにいる船の動きが確認できることは安全な航海につながります。
次に携帯品ですが、スマホや携帯電話は大変便利な必須アイテムですが「国際VHF無線機は要りますか?」と言う質問も多く受けます。海岸局を含め全ての船舶の共通通信システムですから安全航行につながるし、AISトランスポンダーと接続することで、船舶の詳細な情報を自動で送受信でき、衝突等を避けるための位置情報等も教えてくれます。AISは東京湾、伊勢湾、瀬戸内海等には便利なアイテムです。
次に最も重要なアイテムとして係留用の係船用品があります。目的地や寄港先は全てマリーナの浮き桟橋なので、通常の物で良いと考えている人がいますが、天候やトラブルにより漁港の岸壁等に係留しなくてはいけない可能性もあります。従って、浮桟橋と岸壁係留ができる係船用品を用意することが必要です。

例)ヤマハイグザルト36の場合
係船策 ロープ径20mm 10m4本、15m2本、30m1本
エアーフェンダーロープ貫通型φ250×660mm4本
インフレータブルフェンダーφ410×680mm、φ450×1060mm各2本
岸壁スレ止め用ワイヤー2本

注)平成27年3日に港湾案内は廃刊になりウェブでのダウンロードでの販売となりました。

様々な備品
海図、海図用具、Sガイド港湾案内、潮汐表、双眼鏡、サングラス、防水ライト、救急箱、エンジン予備品、メンテナンス用品、ロープカットナイフ、ボートフック、粗泥落としマット、洗面具(お風呂セット)、洗剤他

4、クルージングの実際(葉山~広島往復)
今回クルージングで出かけた船は4月末に進水したヤマハEXULT36Sport Saloon。葉山マリーナを5月末に出発して約1ヶ月かけて広島観音マリーナまでを往復するクルージング計画を立てました。新艇でしたので、まず行ったのはシェークダウンを兼ねて実際に近場で走らせてみることでした。そして実際の走行で航行能力や性能を把握することに努力しました。そこから出てきた答えは以下のような内容でした。燃料満タン(900ℓ)清水満タン(230ℓ)搭乗者4名、航行能力として燃費が良いところはエンジン回転数2000rpmで24ノット、消費燃料は時間あたり90ℓ。穏やかな風で潮流の影響がない場合の条件下でした。従って今回の計画は燃料消費量毎時100ℓで24ノット、安全を見て700ℓまで使うとして7時間で走行距離は168マイルが最大と設定。そして船の特徴としては、向かい波が高くなると走りにくい特徴を持っているように感じ、波の高さ2.5mぐらいまでが最大として計画しました。
日程は葉山マリーナを5/27出港し、新西宮ヨットハーバーまでを第1クール、第2クールは観音マリーナまで、第3クールは四国側を訪ねて和歌山シティーマリーナまで、第4クールで葉山マリーナ6/26帰港とし、第2、3クールは毎週月曜日に新幹線で停泊港に出向いて船を進め、木曜日夜にまた新幹線で帰宅することで、仕事との両立を可能にするように工夫しました。

第1クール 5/27 6:15 葉山マリーナ出港  13:15 大王崎波切港着(岸壁に係留、船中泊)
所要時間6時間、走行距離約150マイル、船速25ノット
給油:630ℓ 中武石油(中井さん) 0599-72-3825、食事:田中料理店 0599-72-0564
注)、港手前の網に注意が必要。1時間前に中武石油にTELし市場の手前に誘導され係留。

朝5時30分葉山マリーナ集合。朝早いのですがヤマハの担当者、ハーバーマスターが出航の見送りに来てくれて皆で記念撮影。濃霧の中6:15出港。

視界は200mぐらいの霧の中、レーダーを頼りに25ノットで走行、下田神子元島を8:20通過、霧は御前崎を超えたぐらいから晴れてきました。(レーダーが付いていない船ですとこの気象状況では出港できませんでした)

波切港入港口の北北東~北東側に非常に分かりにくい定置網が2ヶ所有り、よく見るとその2つは繋がっていました。

市場に面した東側の岸壁に係留、その日は小潮周りだったので干満の差は50cmなので助かりました。岸壁のコンクリートと擦れる部分にはロープで保護したスレ止め用ワイヤーを使いました。

中武石油(中井さん)は大変親切で、予約はしておいたのですが、朝9時に「今何処を走っていますか」と電話をくれました。

岸壁に係留することを考え用意していったインフレータブルフェンダー(φ450×680mm、φ450×1060mm各2本)に電動エアーポンプで空気を入れて使っています。

中井さんに教わったアクアパレスともやまの湯、タクシーで10分ぐらいのところでしたが伊勢志摩側が見える高台に建つ眺望の良い湯でした。

夕食は波切港で一番人気の田中料理店に行きました。人気のカツオ茶漬けは最後の締めで食べましたが美味しかったです。

5/28 9:00 波切港出港  13:00 南紀串本港着(岸壁に係留、船中泊)走行距離:約80マイル
給油:400ℓ 和歌山県漁連串本支部 0735-62-0829、食事:居酒屋「てんません」0735-62-7450

昨日頑張って大王崎まで到達しているので、本日は目的地まで約80マイルと余裕があり、途中鯨で有名な太地漁港に立ち寄りました。

太地港に入るとすぐ右側に生簀が沢山並んでいます。写真では取れなかったのですが生簀の中でイルカが跳ねたのでビックリしました。

係留はしなかったのですが、太地町漁業協同組合が直営している鯨肉の販売で有名な太地漁協スーパーが正面にありました。

途中少し寄り道をして曇り空の下、北東の風がやや強くなりましたが無事に串本港の入港灯を確認することができました。

串本港内に到着。正面に見えるのが円形の油タンクに大きく赤枠で囲って「漁連」と書いてある漁連が経営する給油施設。

漁連の方がとても親切で係留岸壁を色々と教えてくれました。北東の風が強かったので北東側の岸壁に係留しました。

夜中に前線が通過した影響で岸壁越しにしぶきがかかり寝ていて少しうるさかったです。
しかし、岸壁から離れる風向きでしたので船は安全でした。

すさみのマーボーという漁師が紹介してくれた居酒屋「てんません」に行きました。
2FにBAR「Little」を発見しましたが行きませんでした。

本州最南端、串本町の地元の鮮魚にこだわった和風居酒屋。本マグロの刺身(脳天、ほほ肉、かま)は抜群の味でした。

5/29 09:00 串本港出港  13:00 サントピアマリーナ着(ポンツーンに係留、船中泊)走行距離:約80マイル
給油:400ℓ サントピアマリーナ0799-24-1694

 
潮岬の天気予報では曇り、北東の風7m、波の高さ2.5mでした。潮岬に近づくと波の高さは5mぐらいあるように思いましたが、追い風だったため30分間ぐらいで潮の強いところを抜けることができました。(初めての船でしたので、追い風のサーフィングは少し不安がありましたが、ジャイロ装置が付いている船のため安定していました)

 
淡路島サントピアマリーナに到着。入港口を確認した時点で電話したら、丁寧に入港方法の指示を受けF4番外側ポンツーンに1隻だけで泊めさせていただきましたので離着岸が非常に楽でした。3泊目にしてマリーナに係留できたので、ポンツーンの水道設備で洗濯をしました。この日の船中泊は係船策やフェンダー等を気にせずに安眠できました。

兵庫県洲本市本町7丁目1-44にある東光湯に行きました。入浴料金大人340円ケロリンの桶が有り、レトロムードが漂う銭湯でした。3~4人しか入れませんがスチームサウナもありました。淡路島サントピアマリーナから横浜までの交通手段16:00マリーナ発→タクシー20分で洲本高速バスセンター着、16:30発→1時間40分高速バスで新神戸駅着、18:15発→新横浜20:40着

5/30 09:00 サントピアマリーナ出港  12:30 小豆島内海港着 走行距離:約55マイル
ベイリゾートホテル小豆島専用浮桟橋に係留(予約が必要) 宿泊:ベイリゾートホテル小豆島0879-82-5000
◎予備の係船場所(天候によってはホテルをキャンセルせざるを得ない場合がある為)
小豆島内海港草壁港桟橋 ※桟橋食堂が管理0879-82-4458 基本的に船中泊とし、適切な宿があれば宿泊することにする。
給油:内海石油 0879-82-1191

サントピアマリーナから淡路島の南側を周り鳴門海峡「大鳴門橋」の下を通過いたしました。

小豆島内海港に入り東側に見えてきたのがベイリゾートホテル小豆島。ホテル前の専用桟橋を確認。

ゆっくりと水深を確認しながら近づきましたが、陸地際まで水深4mはキープされていました。

待ち焦がれたホテル専用プライベート桟橋への係留。ホテルの部屋から見るとこんな感じです。

葉山マリーナを出て船中泊3日、天候に恵まれ予定通りに運航しホテルに泊まることができました。

到着日と次の日午前中をかけて醤油屋2件、そうめん体験、二十四の瞳、映画村、小豆島を探索しました。

5/31 14:00 ベイリゾートホテル小豆島出港  15:30 牛窓港ホテルリマーニ着 走行距離:約30マイル
ホテルリマーニ専用桟橋に係留(予約が必要) 宿泊:牛窓リゾートホテルリマーニ 0869-34-5500
◎予備の係船場所(天候によってはホテルをキャンセルせざるを得ない場合がある為)
岡山県瀬戸内市レジーアマリーナ0120-063-088 宿泊:虫明いこいの村 0869-25-0686

牛窓港に入り右側に白亜のリゾートホテル「ホテルリマー二」、中央部のホテル専用桟橋への係留。

ホテルに隣接する㈱ナスボート牛窓マリーナにご挨拶。突然の訪問でしたがご子息と迎えてくれました。

ナスボートの社長さんに教わった瀬戸内の新鮮な魚料理や寿司を食べられる「魚一」で夕食をしました。

 
明石大橋を通過しすぐ左側にアウトレットモールと食事ができるこうべたるみ海の駅ビジター桟橋へ係留。

 
神戸西航路から内側水面を通り、メリケンパークや六甲大橋を通り新西宮ヨットハーバーに向かいました。

新西宮ヨットハーバーは西出入り口から入港。ビジター桟橋へ係留し第1クール終了。
タクシー→JR西宮→JR新大阪より新幹線で帰宅。
第2クールの開始が6/8、6/6船底付着物除去のため上架船底ジェット洗い及び給油を依頼。
・上架船底ジェット洗い作業 ・給油 770ℓ ・ビジター桟橋利用6/1~6/8 8日間


第2クール
 新西宮ヨットハーバーから広島観音マリーナまでを4日間かけて船を進めます。

JR新横浜から新幹線でJR新大阪→JR西宮→タクシー→12:00新西宮ヨットハーバー着
◎このクールは瀬戸内をクルーズの案内役としてUWH瀬戸内海水域の秩序ある利用を進める会の松野氏に同行を依頼
6/8 13:00 新西宮ヨットハーバーを出港  15:00 日生諸島・家島着 走行距離:約40マイル
志みず所有の専用桟橋に係留(TEL予約必要) 宿泊:料理旅館志みず079-325-0777

昼の12時に集合でしたが、松野さんは船の清掃と給油をすませて、我々の到着を待っていてくれました。

UWHが販売する 「クルージングマップ瀬戸内海」を持参してくれて松野氏が行く先々を説明してくれました。

姫路港との間を頻繁に連絡船が往復する家島港に到 着。東側湾口近くに料理旅館志みずを確認できました。

正面に見えるのが志みず。播州の地酒と旬の家島の魚を楽しめる料理旅館として人気があります。

目の前にある桟橋は志みずの所有だそうですが、沖に入れている錨の管理が大変だと言っていました。

どの客室からも海は見えるそうですが、晴れていれば姫路港が見えるそうです。姫路城は見えるのかな?

6/9 9:00 家島・日生諸島出港  15:00 境が浜マリーナ着 走行距離:約100マイル
本州側下津井瀬戸大橋を通過し上島諸島豊島上陸、村上水軍船折瀬戸を通過し、しまなみ海道クルーズ 
境が浜マリーナに係留 宿泊:リゾートホテルベラビスタ境ガ浜084-987-1122

備讃瀬戸東航路の東端に建設された男木島灯台、100歳で現役、日本に2基しかない無塗装の灯台の一つ。

本州の岡山県倉敷市児島と香川県坂出市櫃石島の間に架かる下津井瀬戸大橋の下を通過。

しまなみ海道の手前、瀬戸内海のほぼ中央に位置し上島諸島の1つの有人島「豊島」 に立ち寄りました。

大正時代には花崗岩の採石が始まり、太平洋戦争後引き揚げ者などが入植、漁業やかんきつ類の栽培を営み、一時人口は180人を越えたそうですが人口流出が続き、現在は一世帯のみとなっているそうです。

しまなみ海道「村上水軍船折瀬戸」を通過、激しい潮流は体験できなかったのですが、前方に見える濃霧の中に入ってしまい、船を止めて方向を確認しレーダーと通ってきた航跡を確認しながら戻りました。

常石造船グループが運営する境ガ浜マリーナに係留。同じく山の上に見える高級リゾートホテルベラビスタ境ガ浜に宿泊。歩くと30分ぐらいかかる上り坂のため、ホテルからマリーナまで車で迎えに来てくれました。

6/10 10:00 境が浜マリーナ出港  16:00 グランドプリンスホテル広島着 走行距離:約80マイル
因島大橋を通り、音戸の瀬戸通過一路、呉の海上自衛隊基地を海上から接近して見学、大和ミュージアムを海上より見学し、宮島ビジターバースに係留、世界文化遺産厳島神社を散策、江田島旧海軍兵学校を海上から見学 。
宿泊:グランドプリンスホテル広島(ホテル専用桟橋あり、予約が必要)082-256-1111

しまなみ海道因島大橋の下を通過

音戸の瀬戸、音戸大橋を通過

呉の海上自衛隊基地を海上から見学

大和ミュージアムには桟橋がありますが係留はNG

陸路で海事歴史科学館(大和ミュージアム)を見学

海上から世界文化遺産大鳥居と社殿を見る

宮島ビジターバースに係留、厳島神社を見学

江田島旧海軍兵学校を海上から見学

グランドプリンスホテル広島ホテル専用桟橋係留

6/11 午前中天候が悪いので船を出さず広島市内見学、午後から観音マリーナに移動 走行距離:約5マイル
観音マリーナに係留手続き082-234-7710、JR広島駅より新幹線で帰宅


第3クール
 観音マリーナから四国側を訪ねて和歌山シティーマリーナまで4日間で船を進めます。

6/15 JR新横浜から新幹線でJR広島→タクシー 13:00 観音マリーナ着
初めてのメンバーがいたため宮島、旧海軍兵学校等を海上から見学し市内の広島ワシントンホテルへ宿泊。

6/16 10:30 観音マリーナ出港 13:00 来島海峡馬島着 走行距離:約55マイル
馬島観光休息所桟橋に係留 宿泊:民宿みはらし0898-31-1856

正面に見えるのが広島観音マリーナです。

馬島観光桟橋から対岸は今治市街地が広がります。

海鮮料理が味わえる馬島唯一の心安らぐ民宿です。

橋脚の中にエレベーターがあり大橋に行けます。

来島海峡大橋から約60m下の港を見下ろしています。馬島は、瀬戸内しまなみ海道の沿線で、来島海峡大橋の第二、第三大橋の間にあり愛媛県今治市に属する。人家は西岸に集中し人口は約34人で、大橋にはインターチェンジがあり住人は車の利用ができる。交通手段は大橋を利用したバスと定期船です。民宿みはらしからながめる水道を行きかう船舶は魅力的です。

6/17 10:00 馬島発  12:00 合田マリンエンジニアリングの桟橋着 走行距離:約45マイル
合田マリンエンジニアリング桟橋に係留0877-33-4477 宿泊:琴平グランドホテル桜の抄

朝から霧が濃く全く見えないので10時まで待機。対岸0.5マイル先に来島マリーナが見えてきたので出港。

金刀比羅宮に一番近い多度津港の合田マリンエンジニアリングさんの桟橋に係船いたしました。

金刀比羅宮本宮まで785段。比較的コンスタントに登って行きましたが、最後の20段は辛かったです。

6/18 9:00合田マリンエンジニアリング発  13:00 和歌山マリーナシティヨット倶楽部着 走行距離:約85マイル
和歌山マリーナシティヨット倶楽部へ係留 タクシー→JR海南駅→JR新大阪から新幹線で帰宅

小雨がちらつく曇り空の中、穏やかな波の瀬戸内海、瀬戸大橋、鳴門海峡を経て和歌山に向かいます。

関西最大級の設備を誇るマリーナに入港です。テーマパーク、ホテル、温泉、黒潮市場等が隣接します。

案内されたビジター桟橋。平日¥1,000、土・日・祝日¥2,000(但し7日以内)は大変助かりました。

第4クール 和歌山マリーナシティヨット倶楽部から葉山マリーナへ帰港
6/22 13:30 和歌山マリーナシティヨット倶楽部出港 18:00 南紀勝浦港着 走行距離:約80マイル
南紀勝浦港泊(ホテル浦島前岸壁に係留、船中泊)給油;紀南石油0735-52-0256

JR西日本特急くろしお新宮行 JR新大阪駅からJR海南までは70分でした。新宮までは約4時間です。

南紀勝浦港の入口。今日は一年で一番昼間が長い夏至でしたので18時の入港でしたが助かりました。

ホテル浦島の対岸へ岸壁係船。給油は紀南石油さんにお願いし夕刻でしたがローリーで来てくれました。

6/23 09:00 南紀勝浦出港  14:00 浜名湖
舞阪港泊(岸壁に係船、船中泊)走行距離:約105マイル
給油:舞阪漁協購買 0535-92-3506
食事:漁港近くの魚あら「名物活海老天丼」0535-92-0041

 
国道1号浜名バイバスにかかる浜名大橋が見えてきました。大橋を超えて右側にある舞阪港に向かいます。しらす船の最盛期で港が混雑していたので、舞阪漁協購買に案内してもらった係留場所は港口倉庫前の岸壁でした。

6/24 09:00 舞阪港出港 御前崎港を見学して
15:00葉山マリーナ帰港 走行距離:約125マイル

 
最終日は天候も良く順調だったので、御前崎港を見学し無事に葉山マリーナに帰港する事ができました。オーナーの希望で船底塗装はしたくないと言うことでしたので、新西宮ヨットハーバーで上架船底洗浄し費用はかかりましたが、その甲斐あってジェット洗浄とスクレッパーで落ちるくらいの汚れでした。最後に梅雨時で曇り空が多かったですが天候と人に恵まれ良いクルーズができたことに感謝したいと思います。

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