〜ボートはこうして艤装する〜第4章:ベスト・フィッティング・ボート編93FMSのホームページ http://www.friends-marine.co.jpに多くの情報が入り充実しました。オーナーがメーカーに出した要望結論がすぐに出た船選びスペックメーカーの仕様は、2ヘルムステーションの場合はブラックを基調にしたスタイリッシュなサロンデザイン(左下)、FBだけの1ヘルムステーションは木目調の落ち着いたシックなデザイン(右下)。キャビンでも運転をしたいが内装の好みは木目調の方というオーナー。そこでオーナーは木目調で2ヘルムステーションにして、さらに手前船頭ができるアフトステーションも設置したいと要望を出しました。特別な仕様変更を要望してもなかなか受けてもらえない現状の中、今回は全ての要望を受け入れてもらえました。後で分かったことですが、プレミアムクルーザーを目指すトヨタにとってお客様の意見を取り入れるコンセプト艇となったようです。オーナーが希望するサロン内にロアヘルムステーションがあるPONAM-35の仕様は、全体的にブラックを基調にしたスタイリッシュなデザインで都会的なセンスを感じさせるものでした。全 長:11.95m、全幅:3.94m、総トン数:10トン燃料容量:850ℓ、清水容量:170ℓ搭載エンジン:M1VD-VHエンジン出力:272kW(370PS)2基FB定員5名 定員12名 航行区域:沿海オーナーのご要望は、一人でも操縦ができる35フィート前後の大きさで、サロンクルーザーのクオリティを持ち、なおかつボトムフィッシングができるボートである事。すぐに思いついたのがトヨタの誇る制御技術でバーチャルアンカー、バーチャルスパンカー、そしてバーチャルコンパスモードのことでした。早速オーナーと共に150号の錘と竿を持ってTOYOTA PONAM-35の試乗に行き、その性能をチェックしたところ、ボートとしての完成度の高さにオーナーはまず満足されたようでした。そして快適なサロンと居住空間を兼ね備えたサロンクルーザーとしてのクオリティとクルージングができかつフィッシングボートとしての条件も満たしていることにかなり納得されたようでした。バーチャル スパンカー モード船首を常に風上に向けた状態で、船体が流されます。ボタンを押すことで、流される方向や速度をコントロールできます。(実際に使ってみると、風と潮流の流れる方向が同じ時には有効ですが、風と潮流の方向が大きく異なる場合は、船首が風上に向き、仕掛けは潮流方向に流されるので、仕掛けが船の下に入り込んだり船から離れたりしてしまい、仕掛けが真っ直ぐ入りません)オーナーは、PONAM-35SWの木目調の落ち着いたシックなデザインの方が自身のライフスタイルに合っているとお好みでしたが、ロアヘルムステーション仕様では残念ながら製造していませんでした。[プレミアムクルーザー]バーチャル アンカー モードコンピューター制御により、船首を風や潮流の方向へ向け、停船したい位置に船体を保持し、風や潮流が変化しても、船首方向を自動調整します。その結果、エンジンの回転数をムダに上げることなく、低推力、低燃費、低騒音で船体の位置を保ち続けます。バーチャル コンパス モード風向きや潮流に関係なく、指定した方向に船首を保持し、船体が流されます。ボタンを押すことで、流される方向や速度をコントロールできます。(ボトムフィッシングに最も有効なモードです。その理由は、風と潮流の流れる方向は異なることが多く、船首を潮流の方向に向けることで仕掛けは船と平行に流れるので、後は船が流れるスピードをコントロールするだけで良いからです)TOYOTA PONAM-351979年からボートライフを始め、UF-26、UF-29、そして居住性がありキャビンライフも楽しめるフィッシングボートFR-32と乗り換えてこられたオーナー。これからは、クルージングで港めぐりなども楽しみたいと次の船選びの相談を受けました。しかしながら、長年楽しんできたボトムフィッシング機能は外せないということで、スパンカーが有効な船舶であることが条件でした。快適なクルージングとフィッシングを楽しめるプレミアムクルーザーボートの個性とオーナーのキャリア・指向に合わせて徹底艤装
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