23-24FMSテキスト編
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〜ボートはこうして艤装する〜第4章:ベスト・フィッティング・ボート編85エンクロージャーで覆う作業は、全ての艤装が終了し一度フィッシングトライアルが行われてから開始されました。スペック全  長:12.67m全  幅:3.70m船体重量:10,432㎏燃料容量:2,324リットル清水容量:189リットル船外機:3×YAMAHA スピード:最大55ノット唯一の弱点である耐候性対策(艇のデザインを損ねることなく、かつ高速走行に耐えることが要望)走行性能の高い高速艇だからこそ敢えて硬質な素材を避けて、ショックを吸収できるビニール系のスタータグラスとスタモイドを採用。また、少しでもたわめばバタついてしまうので、出入り口開閉部分にはベルトと締め金具を使って対策しています。「皆さん誤解していませんか!センターコンソーラーは本当に良い!もう他の船には乗れません!」ボート歴30数年のベテランオーナーが言い切る、その理由を訊ねてみました。思い立った時にクルーを集めなくても2人で出港できる手軽さ、船外機で設備もシンプルなので壊れにくい、ラフコンデション下でもFB艇のようにトップヘビーでないため恐怖心を感じない、ウオークアラウンドのセンターコンソーラーなのでバウでのカジキとのやり取りやキャスティングもスムーズにできるなどの利点が多いからという事でした。また、多少の風の中でも30〜40ノットで常に走行できるセンターコンソーラーの唯一の不満点として、ラフコンデション時の飛沫の多さと真夏でも度々体験された風による体温の低下を挙げられ、その対策としてTトップ全体をエンクロージャーで覆いたいという要望でした。そのことをオーナーは艇がアメリカにあるうちからお話しされていました。完成されたフルエンクロージャー。艇のデザインを損ねることなく、しかも機能的で扱いやすく、高速走行に耐えるものになりました。全てを閉めて走行すると外からの騒音はかなり抑えることができ、キャビンの中にいるような気分になりました。[輸入艇]F350 350HPTトップ自体をエンクロージャーで覆う作業は弊社が全てを請負って艤装しましたが、最大スピードが55ノット、さらに強化ガラス製のフロントグラスは覆わない条件付きでした。強化ガラスとルーフの隙間もビニールで覆いベンチレーション用の小窓を付けています。HYDRA-SPORTS 4200SFティアラ4300(3艇目)、エッジウォーター318(4艇目)と乗り継いで来られたオーナーが、日本国内にディストリビューターがいないため、自ら個人輸入したHYDRA-SPORTS 4200SF。数あるセンターコンソーラーの中から5艇目としてこの艇を選ばれた理由は、4艇目より大きく安定性があり、前後2列シートでしかも全てTトップで覆われている事という観点で探しておられたオーナーの要望にもっとも近かったからです。ハイパフォーマンスセンターコンソーラー、オーナー自ら個人で輸入

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