23-24FMSテキスト編
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 ボート・フィッシング&フィッテイングアウト編第3章:(ボトムフィッシング)451軸船の場合、バウスラスターが無ければ後方のポンツーンに完璧に着けることは困難です。バウスラスターを左舷に噴射して向きを直せば後は後進でOKです。ヤマハUF27はスパンカーボート達の一員。マイボートスパンカーライトⅣを装備しています。トローリングはカツオからカジキ釣りまで、ボトムフィッシングはキス釣りから1200mの深海釣りまでチャレンジします。思いっきり楽しめそうな船であることは間違いないし、装備も本格的です。基本編1一般的なスラスターの利点マリーナ等の停泊港での出入りは船を自在に操るレベルが必要で、まして風が強い時などにはベテランの船長でも要注意な作業になります。ここで紹介しているスラスターはバウに付けることで船の旋回能力を高め、様々な場所での離着岸や狭い水路等での旋回・変針をお手伝いするもので、運転席に設置したコントロールパネルやジョイステックレバーで簡単に操作することができます。また、スターンに取り付けることも可能で、バウスラスターと組み合わすことで船を真横にスライドするように動かすこともできます。基本編2スラスターの有効性まず初めに当マリンカタログP80、82、83を見ていただくと分かりやすいのですが、フィッシングボートにはスパンカーが有効でない船舶と有効な船舶(スパンカーボート達)があります。バウスラスターは船首を左右自在にコントロールさせることが出きるので、スパンカーが有効でない船舶に装備すれば有効性はアップします。ただし、もともと船首が風下に流れやすい船舶なのでスラスターの使用頻度が多くなりバッテリーの消費等も多くなります。一方、スパンカーが有効な船舶に取り付けた場合は、その効果は抜群でボトムフィッシングでの船の操り方がグンと楽になりスキルアップを実感できるはずです。通常スパンカーを展開していても船首は風下に向こうとします。従ってスパンカーに風が当た室内の運転席コントロール部分。前からエンジンコントロール、トリムタブのコントロール、そしてジョイスティック型のバウスラスターのコントロールです。り反発して戻そうとしているため船には後ろに下がる力も多く働きます。もちろんこの状態で潮の流れに付いていくことも出きるのですが、スパンカーのセイル面積を変更できないため反発する力まではコントロールできないのが現状でした。しかしスラスターがあればその辺は自在です。風下に向く瞬間に戻すことも出来るし、向いてしまった船首をその船の位置で戻すことも出来ます。スパンカーの下桁コントロールのような自然な力(無動力)で船をコントロールすることは出来ませんが、わずかな動力で船を操ることが出来るわけです。自然を利用した(無動力)スパンカーと電動バウスラスター、この二つを組み合わせることでボトムフィッシングの釣果がさらに上がることは間違いなさそうです。左舷から水を吸い込み右舷に噴射しています。プロペラタイプなので効率は抜群です。アフトコクピットにある2ステーションボックスに位置したバウスラスター用のタッチコントロール。コントロールも2箇所操備、まさしく手前船頭用の設備です。9.スパンカー プラス スラスター(スラスターと組み合わせることで操船スキルがアップ) THRUSTER(スラスター)は大型船には最もポピュラーなアイテムで、港での離着岸の際、船を制御する重要な役割をしています。近年、スラスターは機能の向上とデザインにおける大きな進歩によりメンテナンスフリーのオペレーションシステムを充実させ、大型艇のみならず小型FRP船舶の26フィートクラス(スペースがあればそれ以下でもOK)までの取り付けを可能にしています。言うまでも無く小型船においても港での離着岸や狭い水路などでの方向転換など様々な場面で船を制御するのにスラスターが有効であることは実証されています。ここでは、さらにスパンカーを装備した船でボトムフィッシングを行う際にもスラスターが最適な補助役となるに違いないと考え実際に試してみました。ヤマハUF27にLEWMARスラスター最小モデル140TT2.2kwを装備し、その実際で説明しています。

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