ボート・フィッシング&フィッテイングアウト編第3章:(ボトムフィッシング)43イラストⅠこの日の釣りをした海域の状況。イラストⅠを再現しています。風、潮流ともに弱いため、たまに前進することで船を操ることができました。風の方向は同じで潮流の方向と風の強さが変化した場合…イラストⅡ基本編4船を制御する基準の確認イカ釣りを始めて約3時間、初めはよく釣れていたのですが次第に釣れなくなり、風も落ちて潮流もどうやら止まりかけています。この状態では実践編においてスパンカーを装備した船の操り方を解説するには無理があるようです。そこで今回の釣り場で潮流や風が変化した場合、船をどう制御するかをテーマにして、いくつかの変化した条件を加えイラストと実践編での写真を組み合わせて解説することにしました。イラストⅠと風は同じ条件ですが潮流は逆(北)から流れています。イラストⅡのA船は潮流の方向に投入した仕掛けが流れることを考えると、制御する方向はAから出る矢印の方向になります。この時喫水下の船底部分にあたる潮流の影響は船尾側の方が多く受けるため、船首はB船のように左舷側を向こうとします。しかしC船のように船首を左舷側風下に向けていくとスパンカーにあたる風は、右舷側のセイルを押しますので今度は船首を右に戻そうとする力が加わります。この時風と潮流が船に与える影響をイーブンとすると船はA船の向きでD船のようにD-1の方向に流れていくことになります。おそらくD-1のように流れる船の場合はイラストⅠでの実践編で証明できたように仕掛けの流れに合わせ船ををたまに前進することで付いていくことができそうですが、風が少し強くなるとD-2のように流れ、仕掛に付いていけなくなることは明らかです。このような時E船のようにスパンカーを左舷側に下桁コントロールして船首を潮上に向けるようにすると船は潮流の方向に制御しやすくなり、舵は真っ直ぐな状態で前後進で仕掛けに付いていくことができ、風がある程度強くなっても対応できるはずです。このようにスパンカーを装備した船舶は船をスパンカーで操ることができることから、ただ風上に向かせるだけの装備ではないことを、ここで知っていただけたのではないかと思います。スパンカーのコントロールは正式には下桁コントロールと名付けている操作です。風が弱い時は少し多めにコントロールしますが、風が強くなるにつれ開く角度は小さくします。基本的には船首を風下に向けたい所までコントロールすることがベスト。いろいろと試してみることでこの操作を身に付けていって下さい。まさしく身体で覚える世界であります。[再現]
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