ボート・フィッシング&フィッテイングアウト編第3章:(ボトムフィッシング)35左のページはスパンカーの有効性と、スパンカーを装備して適用する船舶の条件と題して船の性能に疑問を投げかけた7ページ。現在でもこのページは当カタログ内に存在しています。1996年に発行した「FMSテキスト&マリンカタログ1996」。現在のカタログ第3章の扉になっていますが、当時はこのカタログ内で船の性能に疑問を投げかけています。2000年に発行した「FMSマリンカタログ別冊充実版」。表2において、風流れ対策されたボートの性能向上を歓迎するコメントを発表いたしました。左がカタログの表紙。年々向上しているボートの性能、しかしその全てが本物指向のボートオーナーに必ずしも的確に応える物とは限らない!というテーマで「イケス」を特集しています。コメントの内容は…「2000年に入り、船首が風下に流されにくいタイプのフィッシングボートやレジャー漁船が発表されています。このタイプの船にはスパンカーを有効的に装備すれば船を潮流の方向に流れるように制御することができ、一定のポイントで仕掛けを投入することが可能になります。ボトムフィッシングでの一本釣り(流し釣り)がより本格的に楽しめるようになりました。」て以来のことで、長い年月待ちに待っていた待望のボートの誕生であることはまぎれもない事実であると言っていいことだと思っています。したがって、これからFMSは、このように「風流れ対策されたボート」のことをフィッシングボートと呼ぶのではなく「スパンカーボート」と呼ぶようにしていきたいと思います。1999年10月に発表されたヤンマーLF26Z、EX28B 1996年2月1日、赤い表紙の「FMSテキスト&マリンカタログ1996」を発行。このカタログでは、「ボトムフィッシングに必要な装備と船の操り方の基礎知識」として、アンカーによる掛かり釣り、パラシュート型アンカーによる流し釣り、スパンカーによる一本釣り(流し釣り)等の釣り方の違いによる船の操り方の基礎知識をマスターしていただけるよう解説しているのですが、その中のスパンカーに関しては、スパンカーの有効性と、スパンカーを装備して適用する船舶の条件と題して船の性能に疑問を投げかけています。それはつまり、レジャー用フィッシングボートには、スパンカーを装備しても有効な船舶はほとんど無かったことを意味しています。(当時は各地の地域造船で製造された遊漁船や漁船以外にそのような船はほとんど無かったのが現状でした。) 日本のボートフィッシングの中心はなんといってもボトムフィッシング。しかし、単に静止安定性に優れたボートはあっても、風流れ対策された船はほとんど見受けられないのが現状。そういった状況を以前から感じ取っていたFMSは、我慢の限界を感じ1996年この赤い表紙のカタログで訴えていきました。 船を風上に向けて静止させ、いざボトムフィッシングを行なおうとする。しかし当時はすぐに風の影響で横流れしてしまい、あっという間に船首が風下に向いてしまう船がほとんどでした。それは、そもそも問題は船型にあったのですが、スパンカーさえ装備すれば風流れしないと思われる人がほとんどで、遊漁船並みの効果が得られると信じられていたくらいでした。そしてさらに、スパンカーを装備しても船自体が風流れしてしまう船型のため、本来得られるはずの50%すら有効な効力を得られないのが現状でした。そのため船首喫水下のステム面積を上げるためにFRP製の加工物を貼り付けたり、上下できるダガーボードというボードで対策したり、試行錯誤を繰り返していたのですが、あっという間に船首が風下に向いてしまう船ではスパンカーが機能しないことを、ユーザーに説明するのが非常に大変な日々が続いたことを今でも覚えているくらいです。(お客様のほとんどは、フィッシングボートを買ったのだからスパンカーは効くだろうと考えている人ばかりでした。) そうこうしている内に、船首が風下に流されにくい船とスパンカーの有効性について述べた「FMSテキスト&マリンカタログ1996」がメーカー、ユーザー両方から大きな反響を呼ぶことになり、メーカーの設計チームに招かれ、その理論をおしみなく伝 この年の2月に行なわれた東京国際ボートショー、FMS展示ブースで大きなテーブルの上に海底のポイントを作り、風と潮の流れを矢印で表現し、小さな船で操り方を実演致しました。この時、船首がすぐに風下に流れる船がいかに操れないかを訴え、皆さんから賛同を受けたことも記憶しています。えたり、強引にダガーボード仕様に在来艇を改造したりして、風流れしにくい船の開発をメーカーに促していったのであります。 そしてついに2000年の東京国際ボートショーで、待望の新船型フィッシングボートが誕生。ヤンマーLF26Z、EX28B、ヤマハUF-260B/SDがそのボート達で、どちらも独自開発された新船型を持つ画期的なボートでありました。10年来訴え続けてきたことが現実となった記念すべき年でありました。1999年10月に発表されたヤマハUF-26OB/SD1996年にFMSが訴えたこと1999年までの試行錯誤5.待望のスパンカーボート誕生 近年、国産フィッシングボートに「風流れ対策されたボート」がようやく出現し、ボトムフィッシングに新しい流れが起きてきました。すなわち、スパンカーを装備して有効な船舶が、ようやくカタチになり実を結び始めたということです。このことは、各メーカーが以前フィッシングボートといってFRP製のボートを生産し
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