23-24FMSテキスト編
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0051編トウアグンイテッィフ&グンシッィフ・トーボ A❶❷❸❷❶❹❸)グンシッィフムトボ:(章3第34下桁シート位置キャビンエンドコーナーのアールが有るほど風は、内側に巻き込れないでスムーズに後方に流れていきます。1m以上2mサイドステー位置Aマスト位置5001000単位mmスパンカーを取り付ける目的は、水面上船体の面積中心A点をできるかぎり船尾方向に移すことであるため、マストはできるだけ船尾近くに取り付けた方がより大きい効果が得られることになります。しかし、あまり船尾に近すぎると、展開時、収納時の作業効率が悪いばかりでなく、下桁シートの船体取り付け部との角度がきつくなるため、マストを押す力が増してマストが弓なりにベントしてセイルがフラットに張れなくなります。従ってマストは使用時の作業スペースやサイドステーなどの位置関係も考慮に入れた上で、できるだけ船尾近くに取り付けるのがベストなのです。上部構造物(ハウス)が高く、さらにマストの位置と接近しているため、構造物によって船首からくる風がさえぎられてしまうのでスパンカーの下桁を高く上げている船をよく見かけます。しかし、下桁を高くすることによりマスト全長が長くなり、セイル面積中心も上がるため船はトップヘビーになり、横揺れが大きくなります。高い位置でセイルに風が当たるので船尾に働く力よりも、船を傾斜させる方向に力が働き、風が当たっても逃がしてしまうことになるのです。通常、キャビンとマストの位置関係は、キャビン幅2mの船で1m以上離れていれば、キャビンが高くても下桁の高さをあまり気にする必要はありません。セイルに当たる風が船を動かす効力は、水面に近いほど大きいため、セイル面積中心は下ほどよいですが、作業上の使い勝手を考え、低すぎず高すぎないということで下桁の高さを決定することが大事です。マスト位置は船尾にするほど有効ですが、 最船尾すぎるとマストが弓なりになります。→A’●セイル面積中心下桁セイルはできるだけフラットに張って下さい。セイルの張り方は、まず❸を緩め、❶❷を張り、❸でフラットに張れるように微調整します。風が強くなると❶をしっかりと張らないと袋状になってしまい効果は低下します。さらに❹の方向にセイルを強く引っ張り、止めていないと、しわになりやすいので注意して下さい。 ※❸を張ったまま❶❷を張ってもセイルはフラットに張りきれません。開き止めロープを緩め下桁を左右に開くことで、前方からくる風により圧力を感じますが、それだけ後ろに下がる力も大きくなります。通常12°前後が一般的ですが、船にあった角度を探すことで操船による制御が容易になります。基本的には風が弱い時には開き、船が後ろに下がりすぎてしまう時には狭めますが、その日の風の強さや潮流の方向によってコントロールする必要があります。できるだけ開かないで使うことが理想です。マスト位置、下桁の高さなどをいろいろと対策しても効果が得られない船の場合は、セイルの形状を変えることで効果を引き出すことができます。マスト位置が最船尾にしか位置できない場合には❶、下桁の高さを上げなければキャビンなどに風をさえぎられてしまう船には❸というように、セイルの形状を様々に変化させることで、船の配置上の問題を解決することができます。このように、最も有効的にスパンカーを装備するためには、基本となるマスト位置、下桁の高さ、さらにセイルの形状などを船の状態に合わせて作り出したスパンカーでなければ、いろいろと弊害が出てしまう装備しかできないことになってしまいます。風と潮流が異なる場合に、下桁を右舷又は左舷に寄せることによって、船首を風下(潮流方向)に強制的に向かせて、潮流の方向に船が流れるように操船を制御しやすくするために、左右に下桁をコントロールします。基本的には、船首が潮流の方向に向くよう下桁をコントロールして、潮流が速ければ大きく寄せていき、風が強ければ小さくしていきます。○サイドステー位置の有効範囲マスト位置より片舷幅が1500㎜に対して後方へ500〜1000㎜までが、通常の有効範囲でこの中にサイドステーを位置すれば、フォアステーと3本でマストをささえることが出来ます。サイドステー位置は、釣り場スペースや係船などに影響するため、装備する場合、船体側下桁シート位置Bよりも内側に位置することが理想で、Aのように下桁を左右にいっぱいに寄せた時に邪魔にならない位置まで寄せられれば、釣り場スペースは最大限に活用できます。このようにサイドステーの位置は、マスト位置に最も影響されるため、船の位置をよく考えて装備することが必要です。マスト位置に関して下桁の高さセイルの張り方開き止めロープのコントロールセイルの形状サイドステーの位置船体側下桁シート位置B下桁コントロール3.スパンカーの装備に必要な知識 最も有効的にスパンカーを装備するためには、マストを立てる位置、下桁の高さ、セイルの形状などが、どのように決定され作り出されているかを理解することが重要です。このコーナーでは、装備する上で最も重要な要素3点と実際の取り付けでポイントになるサイドステーの位置を解説しました。4.スパンカーのセイルコントロール セイルに当たった風を素早く逃がすことにより、スパンカーは効果を発揮します。袋状になったり、しわが出るとその効果は低下します。さらにセイルをコントロールすることによって、風や潮流に対して船を制御することが出来るので、開き止めロープや下桁を左右に操ることは、スパンカーを有効に利用するポイントになります。

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