23-24FMSテキスト編
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 ボート・フィッシング&フィッテイングアウト編第3章:(ボトムフィッシング)風風風風風センターコード27①パラシュート(抵抗体)を使って抵抗をかけることにより、船が風に流されるスピードを遅くすることができます。②パラシュート(抵抗体)にあたる潮流の抵抗により、船が引っ張られることで船を潮流の方向に流します。ただし風が無い場合か、風の影響よりも潮流が強い場合に限られます。③船首からパラシュートを投入することによって、船首が風上に向くので船は安定し揺れを防ぎます。船を流す方向潮流曳き索収納袋ステンレスサルカン曳き索は水に沈むロープを使用し、長さは最低でも船の長さ以上、ブイ連結索はパラシュート直径以上が基本とされています。以上のようなパラシュート型アンカーの基本的な効果を利用して、船が風に流されるスピードを調節して、釣りの仕掛けがほぼ真っすぐに下りるように潮流の方向と速さに合わせて船を操ることができます。FMSタイプの場合、パラシュートのセンターコードを引き込んでセットすることにより、パラシュートの直径が小さくなるので、抵抗が減り船の流れるスピードは大幅に速くなります。センターコードが付いていないタイプが多くありますが、パラシュート型アンカー本体側で抵抗をコントロールできる重要な要素です。そこで当コーナーでは、実際に船で使用する前に、まずはパラシュート型アンカーの基本的な効果や操り方を理解してもらい、自船に合った適切なタイプやサイズを選ぶことができるよう解説した上で、実践編において様々な条件下でのパラシュート型アンカーの操り方(釣り方)を紹介しています。パラシュート型アンカーの操り方の基本は、風と潮流の方向が同じという条件を基準とした場合、下記のように操ることで船の流れるスピードをコントロールすることができます。この基本をマスターすることにより、いろいろな条件での流し釣りをすることができます。 ブイ潮流船を流す方向オモリ(ステンレスチェーン)を操る漁業者に話を聞いてみたところ、パラシュート型アンカーのサイズ(直径)は船の全長の40〜50%が適切ではないか、という声がほとんどでした。今現在、FRP漁船を含む全ての小型フィッシングボートにこの数値をそのままそっくり当てはめることは無理でしょうが、操業用のパラシュート型アンカーの適切なサイズは、総合的にみて、船の全長の30〜50%の範囲にあることは間違いないようです。曳き索、ブイ連結索を長くして、オモリを重くすることによって、パラシュートは深く入り、船の流れるスピードを遅くします。逆にステンレスサルカンが水面に出るぐらいの位置で使用すれば、パラシュートがしっかりと開かないため船が流されるスピードを止める抵抗力は小さくなります。風に対して曳き索を船尾方向から2本どりして、船に風による抵抗をかけると、船の流れるスピードは速くなります。しかしこの場合、風を船の真横から受けてしまうと船は大きく揺れてしまうので、真横でなく少々横に向ける程度で抵抗をあたえたほうが船は安定します。■パラシュート型アンカー (FMSタイプ)船を流す方向潮流引揚索ブイ連結索パラシュート(抵抗体)パラシュート型アンカーを利用した流し釣りは、風や潮流の方向、強さに合わせて、パラシュートを操ることで、船が流されるスピードをコントロールすることができるため、広い範囲の色々なポイントで船を安定させて流しながら釣りを楽しむことができるもっとも有効な方法です。船を流す方向潮流船を流す方向潮流1.パラシュート型アンカーの基礎知識Ⅱ.パラシュート型アンカーによる流し釣り基本的な効果基本的な船に合うパラシュート型アンカーの適合サイズパラシュート型アンカーは、荒天時の救命用シーアンカーとして1960年代に広く普及し、その後操業船の漁労設備としても使われるようになりました。それ以来、操業用パラシュート型アンカーとして船に合う形状に改良され、様々な漁業船で使用されています。しかしながら適切なサイズを求めるにあたって、確かなデータは何も残っていないのが現状です。そこで実際にその当時使用していた中型船の船員や50〜500トン船基本的な操り方

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