23-24FMSテキスト編
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 ボート・フィッシング&フィッテイングアウト編①②③④第3章:(ボトムフィッシング)25①アンカーに直接しばったロープは、潮流や船の抵抗によってアンカーを上げる方向に働くためアンカーを起こしやすいことになります。船を潮流の方向に向け、わずかに海底を引きずる程度までアンカーを降ろし、微速で後進してロープを出します。②チェーンは長ければ長いほど海底に寝かせて引っ張る力が増えるので、アンカーの効率を上げてくれます。船のサイズにもよりますが、最低でも3mは使用して下さい。途中、アンカーが適所の海底に少し食い込むようにロープを張り、効きぐあいを確認します。③適切な形状のアンカーを選び、岩礁など根掛かりさせて使用する場合などにもチェーンを少し付けることでロープが岩礁に擦れるのを防ぎます。④アンカーモニターがチェーンの役割をしてくれるのでチェーンの長さは短くてすみます。又、釣り場のポイントがせまく、船間の間が十分とれない場合などにも有効で1〜2㎏程度のモニターでもかなりの効果があります。アンカーの効きを確認してロープをクリートします。ロープの効きを確認する際は少し後進すると判断しやすいです。 掛かり釣りのアンカーの打ち方は、一昼夜、停泊させる場合のアンカーリングとは異なります。フィッシングの場合は、しばらく釣りをした後、場所を移動するケースが多く、少しでも船が流されたら気付くように船をアンカーリングすることが必要となります。潮流形状が最も重要であり、それさえ適合すれば軽いアンカーが最適です。重いアンカーを使用することより、チェーンを利用してアンカーを引く角度を良くした方が効率は上がります。実際にアンカーを打つ場合、基本的には潮上側に打ちます。潮流の方向と風の方向が異なり、船が流されることに対して風の影響が強い場合などは、しばらく船を止め、流される方向を確認してから釣るポイントに仕掛けが下りる所まで船を移動して打つという方法がありますが、このような場合には、潮上側に一本、風上側に一本と、二本アンカーを打たないとポイントの上に船を維持することは困難になります。次にアンカーの形状と重さ、ロープの長さと太さに関してですが、しばらく釣っては場所を移動することや、潮の流れがある場所での釣りを考え合わせると、作業労力の点ではアンカーが軽く、ロープは短く、潮流を受けて抵抗が少ない細いロープを使用したいものです。さらに、下記のような条件を満たす物を選べばベストです。水深が良いのですが、船体重量(排水量)の1/2以上の強度を持つロープの太さは必要です。小さな船で強度の心配がない船でも、最低φ8㎜程度の太さがあった方が、手触りが良く取り扱いやすいです。アンカーに関しては海底の底質(砂泥、岩礁)により形状を選び、少なくとも一昼夜の停泊時に使用するアンカー重量より軽量なもので良いと思います。しかし、掛かり釣りの場合は、アンカー自体の重さだけでなく海底の底質に合った形状であることが重要なポイントになります。底質が良好な砂泥地などの場合は、しっかりと食い込んでいれば重さよりも形状で食い込むのであり、逆に石などが多く浅くしか食い込まない場所などにはアンカーの面積と重量が大きく影響します。掛かり釣りのアンカーに関しては、底質とロープの長さに関しては一昼夜の停泊時には水深の4〜5倍程度の長さが安全ですが、釣りの場合は3〜4倍程度でも良いと考えます。しかし、波浪に対して最も影響するのがロープの長さなので、波浪がある時は長く出すかチェーンを長くするということを心掛けてほしいものです。ロープの太さに関しては 潮流の影響を最も受けるので、より細い方アンカーチェーンに関してはアンカーは海底と平行に寝かせて引っ張ることで海底に食い込ませるものであるため、チェーンはアンカーの効率を上げる重要な役割をしています。Ⅰ.アンカーによる掛かり釣りアンカーが海底にとどく範囲で、一本アンカー又は、二本アンカーで掛かり釣りをします。1.基本的な掛かり釣りの場合のアンカーの打ち方

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