23-24FMSテキスト編
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〜ボートはこうして艤装する〜①②③④第4章:ベスト・フィッティング・ボート編113FMSのホームページ http://www.friends-marine.co.jpに多くの情報が入り充実しました。船底塗装の効果と汚れの観察使用目的に合ったアレンジ現状のエアコン設備に問題点を発見設備されているエアコンはDometic115VAC/60hz 10000BTU(2500kcal)で、海水ポンプによって冷却する水冷式の冷暖房エアコンでした。右舷キャビンバースの下に装備されていました。コンデンセーターキットによってドレンホースを取り除きました。このキットはエアコン用海水ポンプの排出圧により、エアコン本体に溜まるドレンを上部の細いホースで吸い上げてくれます。排出ホースの途中に入れ込むだけですので作業は簡単にできます。エアーベントによってエアー抜き作業を無くしました。エアコン本体が喫水より低い位置にあるとサイホン現象により海水ポンプが海水を吸入してくれません。喫水より約40cm高い位置にエアーベントを設置することにより、サイホン現象を防止します。① 5/27 下架。6/30 約1ヶ月が経過。ぬめり(藻類)が少し付いてきました。近年海水温が上がっているので仕方がないようです。スポンジで部分的に落としてみました。② 7/14 出港して4時間セーリングした後は、ぬめりは少し取れています。スポンジで擦った部分にもぬめりは付いています。従ってこの程度のぬめりは擦る必要はないと思います。③ 11/19 だいぶぬめり(藻類)が多く付いてきました。よく観察してみるとフジツボが付いています。④ スポンジでは落ちないのでプラスチック製のヘラを使ったら簡単に取り除くことができました。喫水上には亜酸化銅が出ていますが、夏の水温上昇で水温が高い喫水近くにフジツボが少し付きましたが、深い所には付いていないようです。また、これからの季節は水温が下がりますので、これ以上フジツボは増えないと考えています。そういう訳でスポンジを使って汚れを落としてみました。(弊社で25年間取り扱うアメロン船底塗料は1年ぐらいでは全くフジツボは付きません。ブラックとレッド色しかないので、今回は採用しませんでした。)小網代泊地には陸電設備が無いので、今まで陸電から取っていたAC100V設備(エアコン、バッテリーのインバーターを設置。さらに、出力が大きいソーラー発電を新設することで、DC電源設備を充実して使用できるようにアレンジを加え対策してみました。エアコン設備はメーカーの工場艤装ではなく、日本での追加艤装として行ったようです。メーカーならこのようなやり方はしないと思います。オートビルジポンプは付いているのですが、エアコンのドレンが船内ビルジ溜りに流され、溜まった水が船内すみずみまで回り込み写真のように湿気と汚れを発生させていました。これではいくらエアコンを作動させても船内はドライになりません。しかもエアコン作動の度に海水ポンプのエアーを抜く作業等も追加されていました。キャビンフロアー床下のビルジ溜りのハッチを開けてみました。オートビルジ用のオートマチックスイッチ(中央クロ色)、電動ビルジポンプストレーナー、ハンドビルジポンプホースエンド、そしてエアコン用ドレンホースエンドが設置されています。この位置にエアコンのドレンを排出してしまうと湿気が多いときは1時間に数リットルのドレンが出てしまうので、電動ビルジポンプでは吸いきれません。床をめくってみて分かりましたが水垢と汚れとカビまで発生していました。これではエアコン設備が適切に機能していないどころか逆効果です。

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