フィッシング・タックル編第2章:(曳釣り・トローリング)9潜水板が最も効果的に潜る長さ(船体から潜水板までの距離)を決定し、船体のクリートやアイに道糸を固定します。次に足元にからむことなくスムーズに糸が出るよう整理して、潜水板を投入します。この時、板が上に向かないよう投入しますが、途中で上に向いてしまい、ヒコーキのように飛び跳ねてしまったら、少し道糸をたぐりよせ、裏返す動作を加え、潜ったら素早く手をは板を投入し、手で道糸を出しながら魚がいる水深まで潜らせます。深く潜らせるためには道糸を長く出すため、船からの距離は遠くなります。魚が付くとツバメ板は上がってきますが、魚が大きいと中層での引き合いになります。このような時は船をスローにして、落ち着いてやりとりする必要があります。魚が水面に上がったら素早く取り込む基本は同じです。ビシヤマ漁法は、ビシヤマ鉛を長く伸ばすことが有効となると、実際ビシヤマ鉛を25m、50mと付けることで、道糸、ハリスを含めて全長は50m、75mにもなり、相当な長さとなります。従って魚が掛かればデッキ上にこれだけの長さの道糸が引き上げられることになり、足の踏み場もないくらいの状況になります。なすとうまくいきます。魚が掛かると潜水板は水面に上がります。今度は素早く取り込むのですが、魚は潜ろうとし、波などで潜水板も下に向こうとします。うっかり潜られてしまうと、持ちきれない強い力が掛かり、魚も外れてしまうことが多くあります。この時のテクニックは、水面に板が付かないよう、できる限り高い位置より素早くたぐりよせることです。ここで注意することは、仕掛けに付いたギジエサをビシヤマを含め道糸の中にくぐらせないことが重要で、このことさえクリアーできれば20cm間隔で付くビシヤマ鉛は、風や揺れで飛ばされにくく、からみにくい特性があるためデッキ上で安定しています。後は、自身の足で踏みつけて、糸にキズが入ることさえ注意すれば長い道具も容易に取り扱うことができます。※FMSが販売している潜水板は、最も効果的に潜る長さを、9寸カツオ用で6ヒロ(9m)、10寸メジ用を7ヒロ(10.5m)で調整しています。2. ツバメ板中層曳釣り漁法の実際ツバメ板は、ただ潜行するだけで潜水板のようなアクションを生まないため、手で持ちきれないような強い力は掛からず、比較的取り扱いしやすいタイプの中層用の道具です。船の速度は2〜5ノットで、潜る深さはサイズによって異なりますが7〜25m。各サイズごと糸目の調整によって深さの調整が多少できるようになっています。対象魚は、イナダ、ハマチ、スズキ、ヒラメ、サワラ等の魚に有効で、道糸を長く出し、船のスピード2〜3ノットで曳くと深く潜らせることができます。FRP製アウトリガー・ポールで曳くことが有効ですが、船体に直接道糸を固定する場合には、魚が付いたことがわかり、魚の口切れを防ぐことができるハイパワーコードを利用することをお勧めします。3. ビシヤマ中層曳釣り漁法の実際ビシヤマ漁法は、船の速度2〜5ノットで中層を曳く道具で、潜る水深は通常6〜25m、その深さは鉛の重さとビシヤマの長さによって決定されます。FRP製アウトリガー・ポールで曳くことが有効で、ツバメ板と同じようにハイパワーコードを利用して船体から直接曳くこともできますが、魚が付いたことだけは確認できても、アウトリガー・ポールの弾力によるシャクリ動作は得られません。対象魚は、イナダ、ワラサ、ブリ系が代表的ですが、マグロ系にも有効な漁法です。よく質問のある、ビシヤマ鉛は大きい方と小さい方ではどちらがよいか? ですが、原理から言うと大きい鉛を長く付け、深く潜らせ海中でたるませることが有効ですが、プロの漁業者のようなアウトリガーでなければ強度不足になります。従ってビシヤマ鉛は、小さな鉛を数多く長く伸ばした方がシャクリ動作を確実にギジエサに与えることができ水の抵抗も少なくてすむため、扱いやすく効果的だと考えています。Ⅳ.曳釣り漁法の実際曳釣り漁法は、初めてチャレンジしようとする人でもヒコーキによる流し方は比較的理解しやすいのですが、潜った瞬間素手では持てないほど強い力が掛かる潜水板や、調整が難しいバクダンなどは、基礎的な知識を知らないとうまくいかないケースが多いようです。そこで実際行われているシーンを中心に基礎的なテクニックを紹介します。1. 潜水板曳釣り漁法の実際潜水板は船の速度3〜6ノットで表層から少し下の3〜5mの中層を曳く道具で、代表的対象魚としてカツオ、メジマグロがよく知られています。使うサイズは通常、カツオ用で9〜9.5寸(27〜28.5cm)、メジマグロ用は、10寸〜11寸(30cm〜33cm)で、この板が水流を受けることで板にアクションを生じさせるため、潜水板が潜った瞬間素手では持てないほどの強い力が掛かります。そのため(初めてチャレンジする場合によく見かけるのですが)船をスローにして潜水板を投入し、徐々にスピードを上げて潜らせる方法をとるケースが多くありますが、釣り上げるたびに船を停止していたら、せっかくのチャンスを逃がしてしまいます。そこで、ここでは投入の仕方を中心にテクニックを紹介しています。
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