P.260 船体クリーニング&コンパウンドがけの方法
カタログPDFはこちら住友3Mマリン用クリーニング用品&コンパウンドがけ用品を用いた基本的な作業方法を紹介いたします。
洗って、みがいてワックスを掛けるという基本は車と同じ。異なる点は船体が大きいこと、凹凸面が多いこと、表面がツルツルやデコボコなどと種類があること、材質(FRP、布、ゴム、金属、木)が多種類あることなどです。
船体クリーニング(水洗い)の基本テクニック
通常の水洗いから少し汚れてしまった船の本格的クリーニングまで、作業時間を短縮して仕上がりが良い方法で行いたいものです。基本は、クリーニング用品と手作業ツールを最大活用することがポイントになります。
●通常のクリーニング方法
船体には海水(塩の結晶)やゴミなどが多くついているので、高い部分(屋根)から十分水をかけソープ洗いして下さい。
1・ボートソープ:普通の汚れ=10:1をバケツに用意
集中部分(アフターデッキ・フォアデッキ)などで作業して下さい。
2・ボートソープ原液をスプレー容器に用意
汚れがひどい部分や面積が広い部分(キャビン.ハル・デッキ)にホースで水をかけ、船体を湿らせた後スプレーして作業します。
3・クリーナーワックス
部分的に汚れが多い所(水アカ部分)に使用して下さい。汚れを落した部分は、ワックス効果があるので汚れを付きにくくします。
4・リキッドワックス
最後の仕上げで使用して下さい。拭き取り不要で艶も出て汚れも付きにくくします。
手作業ツール
ハンドパット(ホワイト)を使用。面積が広い部分にはハンドブロック、パッドホルダーを使用すると力を入れなくても効率が上がります。
CHECK POINT
通常のスポンジにくらべ、ハンドパット(3Mのスコッチブライト洗浄用パット)は数倍の洗浄効果がありますが、老化して半分ぐらいの薄さになったら効力がおちるので交換して下さい。ハンドパットにクリーナーワックスを付け水洗いできることも最大の特徴です。
●頑固な汚れのクリーニング方法
1・ボートソープ:頑固な汚れ=5:1をバケツに用意、ボートソープ原液をスプレー容器に用意
ボートソープ濃度を上げているのでとても良く落ちます。スプレー容器で洗う部分を増やして下さい。
2・クリーナーワックス、レストアーワックス、ブラシ
落ちにくい部分はクリーナー、レストアーワックスを使用して水洗いします。デッキなどの汚れがひどい部分にも使用してブラシで擦って下さい。ソープを併用すれば滑りません。
3・リキッドワックス、ペーストワックス
最後にソープ洗いした部分をワックスで仕上げれば、洗った部分全てにワックスが掛かります。
CHECK POINT
初めからクリナー・レストアーワックスを使用しないことです。ソープの濃度を上げて洗うと思ったより良く汚れは落ちます。船体を湿らせソープを原液のままスプレーして、ハンドパットを水で濡らしクリーナー・レストアーワックスを付けて擦ると効果的です。
●材質の異なる部分のクリーニング(適切な手作業ツールを使用して作業することが重要です)
メタルレストアー:ステンレス、黄銅、クロームメッキ。
アルミニュウムレストアー:アルミニュウム専用。
ビニールクリーナー:ゴム製品。
手作業ツール:基本的に全てハンドパット(ホワイト)を使用。ネルウェスやハブラシ、スクレイパー等も用意しておくと便利です。
※ガラスには、スポンジ(CA-02)を使用して下さい。
船体コンパウンドがけの基本テクニック
汚れがひどく黄ばんでしまった。中古艇を購入したが一度ピカピカにしたい。このような状態の船にお勧めしたいのがコンパウンドがけです。
少し時間はかかるけれど、作業してしてみれば意外に簡単で仕上がりは最高です。
作業用ツール
・電動又はエアーポリッシャー(3Mコンパウンドシステムは、ポリッシャーの回転数が1500〜1800RPMが最適なので、電動ポリッシャーは2500RPM以下を選ぶことが重要です。)
・SBSパット、ソフトウールバフ、SBSスポンジバフ、ポリッシュクロス。
●コンパウンドがけの方法
通常のクリーニングをして海水やゴミなど、汚れを落してから作業を開始します。
1・ラビングコンパウンド(中目)、エフ・1(細目)、エフ・2(超微粒子)
船体の汚れの程度により適切なものを選びます。
・ゲルコート面にはエフ・1を使用します。
・頑固な汚れには中目を使用して次にエフ・1で仕上げます。
・塗装面にはエフ・2を使用します。
コンパウンドを約60cm四方の面積に対して小さじ1〜2杯つけ、ソフトウールバフで良く伸ばします。
次にポリッシャーでコンパウンドが乾燥してツヤが出るまでバフがけして必要に応じてこの作業を同じ面に繰り返します。
2・インペリアルハンドグリーズ
ネルウェスに含ませて、みがき後のコンパウンドを拭き取るように塗り広げ、ポリッシュクリスで仕上げます。
3・マシンポリッシュグリーズ
マシンポリッシュを使用する場合は、ポリッシャーにスポンジバフを付けて仕上げます。
深みのあるブレードの高いツヤが得られ、フィルム形成成分を含むため2〜3週間は船体を保護してくれます。
CHECK POINT
頑固な汚れやキズの部分は、♯800以上の水研ぎサンドペーパーで除去してからペーパー目が消えるまでバフがけして仕上げます。
ソフトウールバフは連続して長時間使用しないで、スペアーを数枚持ち洗濯して乾燥させ使用すると効果的です。
※各種コンパウンド、つや出し剤はノンシリコン・ノンワックスですので油膜残りなどは一切ありません。よって塗装には影響しません。
リキッドワックス、ペーストワックス
最後にリキッドワックス、ペーストワックスで仕上げ作業を行って下さい。手作業でワックス作業を行っても、リキッドワックスで約2カ月、ペーストワックスで約4カ月の効果は維持します。(期間は季節や仕上げの状態によって多少異なります。)