P.286,287 キングスターボードの加工

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アメリカンフィッシャー Edge Water 318CCを所有するオーナーに依頼され、フィッシングタックルを収納する引き出しユニットを製作することになりました。

30年以上のボート歴のあるベテランオーナーがご自身で書かれた図面を持ってこられました。
話しをよく聞いてみると、センターコンソール艇であるので仕方ないことかもしれないのですが、今までの船に比べタックルの収納場所が少なく使いにくい思いをされているそうです。
現在はボートに初めから付いていたクーラーボックスに収納されているようですが、その度に蓋を開けて取り出す作業は大変なので、同じ場所にピッタリ入る引き出しユニットを製作できないかということでした。
さらに、一から製作するならご自身が所有するルアーやリギングアクセサリー、タックルボックス等が入るサイズで製作してもらいたいということで、自身のプランを図面にしてこられたのです。

オーナーの製作条件は以下のことでした。
・腐食、変色しない材料で、船体と同じホワイト色で
・引き出しの中には水が浸入しないこと
・引き出しの内寸法はできるだけ図面通りに
・鍵がかかること(引き出しユニットごと盗まれてしまえば仕方ないが)

強い日差しや厳しい海洋環境に耐え、加工性に優れたキングスターボードで、引き出しユニットの製作スタート。(製作の実際を紹介しました)

オーナーの図面を参考に展開図と詳細な寸法を算出。加工性に優れた材料なのでオーナーの自作も可能ですが、ここはFMSに任せてもらいました。

製作に必要な道具等を集めてみました。マルノコ盤やルーター盤はあれば便利ですが、一般的な電動工具でも十分に対応できると考えます。

キングスターボードのシートサイズは1371×2438mm。とても大きいので切り売り販売もしていますが、製作サイズに合わせてマルノコで切断します。

マルノコ盤があれば細かいサイズで切断することや、同じサイズで何枚も切りだすことができます。
マルノコの刃は一般木材用のチップソーがベストです。

少し重くなりますが、全てキングスターボードで製作。厚さは天井壁面・引き出し全面は3/4″、表・底・裏板・引き出し枠1/2″、引き出し底板が1/4″です。

詳細な寸法のマーキングの実際です。マジック・ペン・鉛筆等を直接マークすると染み込んで跡が残ってしまうため、保護用のポリマスクの上から作業します。

細部の道具として、ジグソー、ルーター(1分・2分丸面ビット)、下穴用皿取りキリ、ドライバービット等を用意。

ジグソーは曲面の切断に便利な道具で、マキタNo.10Sの刃を通常は使いますが、刃が細かいほど曲りには有効です。

ハンドルーターはキングスターボード加工には必需品だと思います。1分・2分の丸面ビットがあるととても便利です。

ルーター盤があるとさらに便利な加工ができます。ハンドルーターが接続できる物もありますのでご検討ください。

キングスターボードはカンナ仕上げができます。使った感じはバルサ材のように板目がなく柔らかいので仕上げやすいです。

ノミもカンナと同様に利用できるベストな道具といえます。今回の引き出し製作には使うところがありませんでした。

マルノコやジグソー切断面の仕上げはミニサンダーが便利です。ペーパーは#80、#120、仕上げで#320がベストです。

電動工具が入らない部分は手作業になりますが、手磨き用のソフトブロック等にペーパーを張り付けて使うと便利です。

下穴用皿取りキリは木材の加工等にと ても便利で、ここでは全て4mmのタッ ピングビスで統一して接続しています。

4mmタッピングビスでの接続です。下穴用皿取りキリのサイズは3mmですので締めすぎには注意が必要です。

いよいよ組立て作業ですが、水平な作業台の上で正確に組み立てることが要求されます。この時だけは補助が必要かも。

組立てが進み全体が見えてきました。この段階では表面保護用のポリマスクが剥がれている部分は補修が必要です。

引き出し部分の組立て作業です。全てタッピングビスで組立てますので、底板は1/4″(6.4mm)を使用しました。

引き出しの抜け止めは、キングスターボードの切れ端とボルトナットで回転式ロックを作り、引き出し奥に取り付けました。

色々と探した結果、フラッシュロックラッチPL製/鍵付きタイプにたどりつきオーナーの要求に応えることができました。

ほぼ組立てが完了し、各引き出し部分の最終調整段階ですが、表面保護用のポリマスクを剥がさないのがプロの仕事です。

2010年秋にデビューしたヤマハUF-29Fのキャビン側出入口に収納ユニットを製作しました。

キャビンに入るスライドドアを開けると右側にスペースがあり、そこに電子レンジやポットが置け、上段には小物棚、2、3段目には引き出しタイプの収納ユニットを製作してみました。
キングスターボード標準とXLとを組み合わせて作りましたが、この位置は水に濡れやすいので適切な材料だと思います。

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