2019-2020(P.13) ダウンリガーの基礎知識
カタログPDFはこちらダウンリガーフィッシングを始めるにあたっては、ダウンリガーシステムについて知っておく必要があります。ダウンリガー自体は、ステンレスケーブルでウェイトを、巻き上げたり下げたりするウィンチといえます。そして、ケーブルの先端にラインリリースをセットしたウェイトを取り付けて、対象魚の泳層にルアー、またはベイトを確実に送り込むことができます。その際にウェイトの深度は、ダウンリガーの深度表示を見ることによって、1フィート単位で調整することが可能です。また、ダウンリガーフィッシングの仕掛けといっても特別なものは必要ありません。一般的なキャスティングやトローリングで使用しているものをそのまま使うことができます。
ダウンリガーフィッシングは、特別に難しい釣りではありませんが、いくつかの専門的な用語が使われていますので、その用語の意味をよく理解し実際のフィッシングに対応する必要があります。
ブローバック、セットバック、ドロップバック
海中に投入したウエイトは、船が停止している時でも潮流によって抵抗を受け上昇します。
さらに自船が走行することによっても上昇します。
ルアー又はベイトの大きさや、ラインリリースから流す距離によってもウエイトの深度は変化し、魚の喰い付きにも影響をあたえます。
ロッドからのラインも水の抵抗によって弛みが出て、フッキングのタイミングに大きく影響します。
①ブローバック
ブローバックとは、船の動きや潮の動きによっておこるウェイトの上昇率を表わしています。
ブローバックは、船速、ウェイトの大きさ、重量、仕掛けの深度、ラインの太さなど、あらゆる要素によってウェイトの上昇率は変化しますので、正確に把握することは非常に難しいとされています。
そこで、いくつかのブローバックの例を下の表でご紹介いたします。※これらのデータは、あくまで目安と考えてください。一般的に船速が3ノット増えると、ウェイトは、深度計が表示する深度の約50%の位置にあると考えて下さい。
②セットバック
セットバックとは、ラインリリースからルアー、またはベイトまでの距離を意味します。
セットバックの長さは、対象魚や釣り方などによって変化しますが、一般的にルアーをトローリングする際には、30〜100フィート程度セットバックさせると良いでしょう。
ライブベイトの場合には、ルアーの時よりも長めのセットバックを取るようにします。
ただし、複数のライブベイトを同時に曳く時は、ベイト同士が絡み合わないように、セットバックの長さを20〜30フィートと短めにした方が良いはずです。
③ドロップバック
ドロップバックとは、ロッドの先端からラインリリースまでのラインの弛みを意味します。
ルアーでのトローリングの場合は、このドロップバックはできるだけ少なくなるようにします。
なぜならば、魚がルアーにヒットしてラインがリリースされた時に、ラインスラックが大きいと、弛みによってフッキングのタイミングが遅れたり、フックアップの力が弱くなるために、バラシの原因になってしまいます。
また、ライブベイトやデッドベイトを使う場合には、反対にこのドロップバックを100〜200フィート程度に大きく取って、ラインがリリースされた後に、ベイトを十分に喰い込ませる時間を与える必要があります。