P.155 アンカーリングの基本と揚錨・ウィンドラス利用の基礎知識

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第3章Ⅰ.で基本的な掛かり釣りの場合のアンカーの打ち方を解説していますが、この章でのアンカーリングは、寄港地(港)での錨泊に関してと、揚錨・ウインドラス利用の基礎知識を解説いたします。

港での錨泊の基礎知識(確実にアンカーを効かせ、他の船舶の航行の妨げにならないようにしなければなりません。)
・水深と底質を確認して適切なアンカーを用意する。港の底質は、泥、砂などが多いので、フルーク(海底に食い込む爪)の面積が大きいタイプ(ダンフォース型アンカー)が最適です。
・アンカーの重量は、把駐力(錨が海底をかくフルークの力)をだすために必要な要素ですが、錨泊の場合には重さで効かすことよりも確実に海底と平行に寝かせて引っ張ることで、フルークを食い込ませることが大切です。
・ロープの太さ(強度)は船体重量(排水量)以上の太さが必要であり、水に沈むタイプのロープを使用することが重要です。
・延ばすロープの長さは水深の4〜5倍程度にするのが安全ですが港内では長く延ばしたアンカーロープは、他の船舶の航行の妨げになります。したがってフルークを食い込ませることを重要視してチェーンの長さを、通常(3m前後が把駐力を上げる長さ)の2〜3倍にすればロープの長さは短くてすみます。またチェーンを長くすると、波やうねりなどで船が大きく上下してもチェーンがスプリングの役目をしてくれるのでアンカーは起きにくくなり、とても有効なことです。

φ8mmの鉄亜アンカーチェーンでは、1mで重量は約1.0kgあります。チェーンを長くしていくということは、重量がどんどん増えていくことですが、アンカー自体を重くしていくよりもはるかに効果的です。(例えば10kgのアンカーにチェーン3mで使用するのならば、7kgのアンカーでチェーン5mを使用するほうが効果的です。)

●抜錨・ウインドラス利用の基礎知識
抜錨、揚錨はアンカー作業員(アンカーマン)と操船者(ドライバー)との共同作業であり、トラブルを起こすと大変危険であるため、両者がよく理解して慎重に作業する必要があります。お互いのコンビネーションが最も重要な作業です。
・エンジンを始動させて出港準備をし係船索をはずす前に出入港してくる船舶の有無、風向、風速などを注意深く確認して離岸します。
・ドライバーは他船に注意しアンカーの真上に船首が位置するようにアンカーマンがロープを手繰る様子を見ながら船をコントロールします。ここで両者の間に大きな考え方の差が生じることが多いので、基本的な考え方を表にまとめてみました。

○アンカーウインドラスの使用法
アンカーマンとドライバーのコンビネーションが合っていれば、抜錨するまでウインドラスは必要ないはずです。さらにアンカーが小さく水深も浅ければ揚錨するにも必要としません。基本的にウインドラスは、抜錨したアンカーを海底から引き揚げるときに使用するもので、アンカーやチェーンが重く水深が深いときに大変便利なものです。また、アンカーの真上近くの位置で抜錨がなかなかできないとき、ウインドラスで少しずつたるみを取るようにロープをつめながら安全にアンカーの真上でロープの長さが最短距離になるまで、ジリジリとつめていく使い方をする場合がありますが、なかなか抜けないアンカーをウインドラスで揚げることは不可能です。ある程度ロープをつめ終わったら、クリートして船の浮力やエンジンを利用して抜錨して下さい。抜錨したら揚錨にウインドラスを使用します。

※ウインドラスの巻上げ能力は数百kgですが、船の浮力は小さな船で数トンあります。

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