ヤマハUF-29 I/B

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それぞれのボートのコンセプトを最大限に活かし、ボートの個性とオーナーのキャリア、指向に合わせて艤装することがベストフィッティングボートを誕生させる秘訣です。

[インボード・ダイレクトドライブ]ヤマハ UF-29 I/B
船を制御する性能にすぐれた船だからできた『釣りプラスαのベストフィッティングボート』
流し釣り、トローリング、キャスティングからアフターフィシングまで、1艇のボートでここまでできる!
ボートにもフィッシングにも自分のスタイルにこだわりをもつ1人のオーナーがいました。これまで色々なタイプのボートでさまざまな遊びを楽しんできた彼は、1人でも制御しやすく多様な釣りや遊びに対応できるボートが欲しくなり、艤装屋FMSに相談を持ちかけてきました。オーナーの人となりをよく知るFMSが話を聞いて即座に勧めたのはヤマハUF-29 I/B。登場以来、その完成度の高さに注目していたからです。この船ならオーナーの希望に充分応えられるベストフィッティングボートができる、確信をもって始まった、プランニングから実釣までを紹介!

 艤装プランの実際
ボートが決定し、艤装プランがスタート。オーナーがやりたい釣りは、水深200〜500mの中・深場のキンメやアコウ、ムツねらいの釣り。また、活きエサを使った青物釣りや、カツオ、メジ、ワラサなどをねらう曳釣りとトローリング。その上に、オーナー自ら操船しながら釣りができることが条件に加わります。そのため、フィッシング艤装はあらゆるフィッシングに対応できるものをいかに使い勝手良く配置するかがポイントになりました。そしてさらに、魚を活かすためのイケスシステムを多目的に使用できるよう工夫を凝らしたオリジナル設備としてデッキ上に配置させる提案をしました。
次に、釣りプラスαの部分としてデッキ上の多目的な設備をより一層活かすために補助バッテリー 2台を追加して、1台は主バッテリーを温存させてアクセサリーバッテリーがフルに使えるようにし、さらにもう1台はインバーターで100Vを出力させ家庭用の電子レンジや電気ポットなども使えるようにしています。そしてこの3台のバッテリーをオルタネーターによって自動的に充電させることにもチャレンジしています。今回のプランは船を制御する性能にすぐれた船に、本格的なフィッシング艤装と釣りプラスαの部分を充実させるという、フィッシングスタイルへの新しい提案を試みました。

ヤマハUF-29 I/B の実力
ヤマハUF-29 I/B は2001年ニューモデルとして登場。エンジンは230馬力ディーゼル船内機の1基掛け・センターキャビン&ウォークアラウンド採用の釣り機能を充実させたフィッシングボート。このように言ってしまうと他の船とさして違いが無いように感じますが、実はこれほど船を制御する基準がビシィッ! と決まった船は、はっきり言って現段階では他にないはずです(漁船にはありますが!)。言い換えれば、UF-29 I/B は抜群にスパンカーが効きやすく釣りがしやすいボートなのです。またプレジャーボートとしての居住性やスタイルを崩さずに細部に渡り高いレベルで釣りやすさを求めて作り上げており、とても完成度の高いボートといえます。

ボトムフィッシングの艤装
船底のキールが深く船首が風下に流れにくいUF-29 I/B、スパンカーの面積は小さめのもので充分効果があります。そこで今回採用したのはマイボート・スパンカーミディアム。サイドステーの取り方を工夫するなどして、幅をとらずコンパクトに設置することに成功していますので竿の邪魔になるようなことはありません。この船のボトムフィッシングでの釣り場は6 ヶ所、各釣り場ともロッドキーパーとボックスキーパーをセットして、釣り人の数や対象魚によって場所を選択できるようにしています。
アフトコクピット右舷側のコントロールステーションは、ヤマハの純正オプション。この位置で操船をしながら釣りができます。魚探や計器類はキャビン内にありますがここからでも充分見ることができます。そして今回の魚探に関してですが、船底キール部に埋め込んだセンサーにより最高の画像を出すことに成功。選んだ魚探はフルノFCV-1200L水温計付き、送信出力3kw、周波数50kHzを船底キール部分に埋め込み、200kHzはインナーに直接シリコンで貼り付けていますが、どちらも25ノットで走行しても泡を拾うこともなく、うまくいきました。オーナーの要望である深場での釣りに威力を発揮しそうです。

スパンカーは小さめでOK ! アフトステーシヨンで手前船頭の釣りを…

スパンカーはセイルカバーが一体化したタイプなのでセイルを下ろせば写真のようにそのまま収納ができ、また、マストステップをレールの前方に位置させサイドステーは、左右450mmずつの幅の内側に収められているので竿の邪魔になりません。

スパンカーの展開は、セイルカバーのリングからフックを外し、セイル側のアイに架け替えることで後は1本のハリヤードロープを引き上げるだけ。そして、その場の状況に応じて開き止めロープや、下桁のコントロールでスパンカーを操作します。

船底のキールを貫通する形で取り付けられた50kHz/3kwの魚探センサー部。センサーの外形が大きすぎてキールの幅に収まらないため、その部分を削った上で周囲をFRP積層して固定する、という手の込んだ工事が施されています。

船内から見た魚探センサー部。右側エンジンの下が200kHz/3kwのセンサー部、キールには埋め込まずに直接シール材で船底に貼り付けて固定しています。左側のセンサーは船底を貫通しているので水密だけでなく、強度的にも十分に補強をしています。

船の釣り場は合計6 ヶ所、各釣り場にはロッドスタンドとPL座セット2基が装備されています。PL座には、片方がロッドキーパー (スーパーラーク、チビラーク、受太郎DXから選択)、もう片方にボックスキーパー(4、7リットルから選択)がセットできます。

キャビン入り口の左右足元にある電動リール用集中コンセントボックス。小型ボートタイプですが、通常の電動リールなら3台まで接続することができます。エンジンを停止した状態でどんなに使用してもアクセサリー用バッテリーから電源を取っているので安心です。

手前船頭での釣りを可能にする、ステアリングとリモコン、微速リモコンのレバーが取り付けられたアフトコントロールステーションはヤマハの標準設定よりもやや低めに設置しました。またオートパイロットのコントロールユニットも頭上にあり、舵角指示器を見ながら操船することができます。その左側の防水スイッチパネルはデッキライト用です。

操船しながら釣りをする、これがまさにアフトステーションでの手前船頭のフィッシング。釣り場にはロッドキーパー・スーパーラークとボックスキーパー 7リットル(ボックスキーパーは内舷・外舷どちらにもセット可能)が付き、左手でエンジンのリモコンレバーを操作しながら船を制御させ右手でリールのハンドルを操作、魚の食い気を誘っています。

トローリング&キャスティングの艤装
オーナーのトローリングスタイルは日本式の曳釣りが中心なので、アウトリガーはフィッシャーマンタイプのアルミ+ FRPロッド製を採用。曳釣りに最も適しますが、アウトリガークリップを使用して行うトローリングにも対応できるよう、アルミパイプとFRPの特性を生かし、竿先の補強をしたタイプです。ロッドホルダーは埋め込み式で、強固で耐久性に優れたLEE'Sステンレス製ロットホルダー RH525SSを4 ヶ所に使用。このロッドホルダーとアウトリガーの組み合わせなら、80ポンドクラスのタックルを使ったカジキねらいのトローリングも可能です。
また、船尾側左右には埋め込み式でストレート型のLEE'Sステンレスロッドホルダー RH527Vを装備。ここには、組縄やビシヤマテグスといった曳釣り用ラインを巻くことができ、カジキ釣りのティーザーを流す際にも利用できるトロールドラムウインチをセットします。さらに直接FRPロッド(3〜4m)をこの位置から立て、バクダンやダボといった曳釣り道具を曳くこともできます。キャスティングやジギングに関しては、船首パルピットの改造までは行いませんでしたが、この位置をフィッシングポジションとして合計4本分のロッドラックを装備しています。

日本式の曳釣りが中心だが、カジキ釣りやキャスティングにも対応。

アウトリガーはアルミパイプとFRPロッドで組み合わせたFMSフィッシャーマンタイプNo.2 全長7.3mを採用。展開した状態ではブルワークトップでポールを受け、船首側からワイヤーで支える方式を取っているので大物と直接やり取りする曳釣りに最適です。

収納時はホールディングブラケットで固定します。このとき船首側から支えているワイヤーは弛みますので、ポールだけ起こしてブラケットに固定すれば作業は終了です。

キャビンサイドにアウトリガー、次にアングル型ロッドホルダーLEE'S RH525SSを2個両舷に装備しトローリングに対応しています。最後尾にストレート型ロッドホルダー LEE'S RH527Vを装備していますが、このホルダーはバクダンやドラムウィンチに使用します。

埋め込み式ロッドホルダーの下内舷には、ロッドセイフティーライン用のクリートが付いたギャフ、タマホルダー(1連システム)を装備しています。クリートとホルダーの間にチーク材が入り少し壁から離れて固定されているため手が入りやすく便利です。

船尾のストレート型ロッドホルダーにトロールドラムウインチ925Cバット付きをセットし、ビシヤマ仕掛けを使って曳釣りを行っています。ちなみにこのドラムウインチは、オーストラリアALVEY社の製品にFMSがバット部を開発し改良を加えたもので、ドラグ機能や、ラチェット音機能が付き組縄やビシヤマテグスといった曳釣り用ラインを巻くことができるので、従来のように素手で仕掛けを操作することなく、曳釣りの醍醐味を存分に味わうことができます。

後部キャビンサイドとルーフを利用して、アフターデッキ・ロッドラック(パイプクランプ型ロッドホルダー LEE'S RH552CBが2個)が両舷に装備されています。このラックはトローリングで魚がヒットした場合、邪魔になるロッドを整理するのに有効です。

船首パルピットにはロッドラックRMP-1(パイプクランプ型)とETH-1を2個ずつ、合計4個用意。おもにキャスティングやジギングを想定しての装備で、どういう姿勢で釣っていてもすぐにサオを置けるし、複数のタックルを使うのにも非常に便利です。

ボート運航のための一般艤装
この船はボートの運航に関する部分でもさまざまな工夫が加えられました。まず係船設備で電動ウインドラスが装備され、その後ろのアンカーロッカーは仕切り板を設けて2つに分けることで、係船用アンカーと掛かり釣り用アンカーやパラシュートアンカーが混じりあわないようにしています。また掛かり釣りに使うアンカーロープは、根掛かりで切った場合を考えて200m用意するなど、備品の選定にも細かい配慮がされています。次に電気設備に関してですが、メインバッテリーのほかに航海計器類などに使用するアクセサリーバッテリー、そしてインバーター専用バッテリーの3台が設備されています(標準はメインバッテリーの1台です)。そしてこれら3台のバッテリーを1台のオルタネーターで充電するシステムをサブバッテリーチャージャー SBC-01R 2台を使い成功させています。
このシステムはエンジン始動用のメインバッテリーが優先的に充電される仕組みになっているので安心です。さらに、3台のバッテリーにはおのおのソーラパネル(バッテリーサーバープロ5W)を設置し、自己放電分を補っています。5Wの出力は天気の良い日には自己放電以上のパワーを生む能力をもっています。また各バッテリーのレベルは操船ポジションで一括してモニター管理できるので、安心して電気設備を使うことができます。

バッテリーは3系統で個別管理、適切な配慮が快適運航をバックアップ!

船首のアンカーロッカーは仕切り板によって2つに分けています。片側には港での係船設備、後はフィッシングに使うアンカー関連等とすると便利です。またハッチの裏側を利用してスナッパーラインホルダーを付け、係船索をすぐに取り出せる点に注目して下さい。

船体両サイドの最適位置に、それぞれのフェンダー用クリート(アルミ2ホールクリート150mm)片舷3ヶ所を設置。当初は125mmが計画されましたが、スペースがあったため1サイズ大きな物を付けることができました。

パイロットハウス床下のエンジンルーム内に収まるバッテリー。写真右上に見えるサブバッテリーチャージャー SBC-01Rを2台用いて、エンジン始動用のメインバッテリーを優先しながら3個のバッテリー充電をコントロールしています。

▲エンジン始動用、アクセサリー用、インバーター用と各バッテリーのレベルはバッテリーモニター ESM-4でチェックできるようにしています。また使用電力量の大きいインバーターは、マグネットリレーによって電圧計付きの起動用操作パネル(写真右側)で管理しています。

▲ウォータープルーフ・4スイッチパネルによってアフターコクピットまわりの電気系統のスイッチは入り口上部に設けられています。ベイトタンクや清水ポンプ等のスイッチは写真左、デッキライト等は写真右、そしてオートパイロット舵角指示器付きと並んでいます。

コンソール上部の左側が魚探、右側がDGPS、ステアリングの左がレーダー、その下が魚探の操作部、さらに下にVHF無線と拡声器操作部。右側にはエンジンのモニターにステレオ、そして右手リモコンの後ろにあるのがオートパイロットです。

この船に取り付けたオートパイロットは、油圧ステアリングシステムの配管内にハイドロリックポンプ(写真左)を接合し、舵角センサーと電子コンパスからの信号によってコンピューター制御するシステムです。[レイシオン社油圧ポンプタイプST-5000使用]

船尾中央のハッチ内、ステアリングシステムとオートパイロットの舵角センサーが見えます。そして右壁に取り付いているのがデッキウオッシュ用ポンプとして圧力スイッチ付きの物に変更されたFROJETウォッシュダウンポンプ4325-12Vです。

船上で快適に過ごすための装備
ここで紹介するのは、釣りや運航に関わる艤装以外のもので、船上で快適に過ごすための装備と呼ぶべきものです。まず、キャビンドア出入り口の天井に装備したのがルーフトップリアオーニング。この部分には屋根はあるのですが、短すぎて雨避けや日除けとしては十分でなく、さらにアフトステーションをこの位置に設けたこともあって約60cm張り出したものを製作しています。また、この張り出したオーニングを利用してコンパクト・ハロゲンデッキライト3個を付け、デッキだけでなく、水面まで照らすことができる様にしています。
アフトデッキの多目的ベイトタンクで魚を活かし、その上のテーブルで料理をし、テーブルを囲んで食事を楽しむ。そういったシチュエーションを考慮してMAGMAコンビネーシヨン・ガスバーベキューセットA10-008をロッドホルダーマウントで用意。そして船尾中央には食材を入れるイグロー・クーラーボックス72クォートを設置。その左右にゴミ箱も用意しました。キャビン内は、運転席後ろ窓下の突起部分を利用してチーク材でテーブルを作り、インバーター 100Vで使用する電子レンジとポットを固定して、ここでも快適性を追求しています。

小さなスペースですが、アフトコクピットはアフターフィッシングのメイン会場。

本来のイケスハッチの上にベイトタンクPF-32を利用して、清水用のシャワー蛇口にシンクが付き、作業台やテーブルとしても使える多目的ベイトタンクが設置されています。このベイトタンクの容量は121ℓ、船底に付けたポンプを使って海水を汲み上げ、タンク内でオーバーフローさせ排水し魚を活かすシステム。必要に応じてタンク内の水をすぐに抜いたり入れたりできる事や完全に取り外すことができる点が最大の利点です。

床下のイケスとして設定された空間は、約45×90×深さ60cm(船底から28cmのレベルまでに水が入り、容量115ℓのイケスとなります)。この部分に清水用フレキシブル・ウオータータンク100ℓを設置し、その上にスノコと清水ポンプをセット。空間は収納スペースとしても利用できます。

写真中央下に見える黒色のキャップがハッチ下のイケス内にある清水タンクの給水口。船尾側にセットされているホースは海水用のデッキウオッシュ。ベイトタンクから海水を汲めるので不要、と思っていたら魚の血などの汚れを落とすためには必要のようです。

船体ルーフの形状が3次元的な曲線のため難しかった、キャンバス製のルーフトップリアオーニング。ドームライト4インチは船体ルーフに取り付け、コンパクト・ハロゲンデッキライト3個は製作したリアオーニングのパイプ部分に付けています。

この船の純正オプションにはラジエーターを利用した暖房システムがあり、その中にウィンドウのデフロスターも含まれているのですが、高価だし暖房は要らないということで、ヒーター付きファンのデフロスターを設置しています。

後部デッキ右舷ハッチには排気管があり収納するものは限定されますが、左舷ハッチ内は多くの釣具を分別して収納するのに便利な場所です。そして後部のハッチ側にスナッパーラインホルダーを利用して係船索をすぐに取り出せるようにしている点は最高のアイデアです。

キャビン内操船席の後ろには、テーブルを設置してインバーター100V電源で電子レンジとポットを装備。その下のスペースはホームセンターで売っているカゴや収納箱を、ショックコードやずれ止め用木材で固定して、釣りの仕掛けなどを目的別に分けて収納しています。

実釣と釣りプラスαの楽しさ

遊漁船団の中に入って釣りをして、遊漁船なみの実力を実感できたUF-29 I/B。いままでプレジャーボートではほとんどできなかった本格的な手前船頭での流し釣りが、現実となりました。狭いポイントに正確に仕掛けを落とすことができる能力をもった船の誕生です。

トローリングはアウトリガーを使い4本のルアーをロッド、リールで流しています。そして、船尾両舷に付けたストレート型ロッドホルダーにトロールドラムウインチ925Cバット付きをセットして、ビシヤマテグスで中層を狙う曳釣りにチャレンジ。合計6本の仕掛けを2人でスムーズに操っています。この船は三角波の中でも乗り心地は悪くなく波に強いので、潮目の中を釣るトローリングや曳釣りに向く船であると言えます。

マリーナに帰ってからも、船上でゆっくり時を過ごす。釣れた魚で鍋を作りアフトコクピットで宴会です。このクラスのフィッシングボートでは、実際には1日釣りをしたらボートを洗って帰宅、釣り上げた魚は帰ってから食べるというパターンが多いと思いますが、このようにアフターフィッシングを船上で楽しむ人は、まだ少数派なのかもしれません。

ベストフィッティングボートの完成

船としての完成度が高く、船を制御する性能にすぐれたUF-29 I/B。あらゆるフィッシングに対応する艤装は、ほぼプランどおりに進められ完成することができました。また、フィッシングスタイルへの新しい提案として「釣りプラスα」の部分に関しても、多目的ベイトタンク・システムやガスバーベキューグリルの導入、補助バッテリー・システムによる電装備品の充実とインバーター 100Vの導入等によって、理想のボートを実現することができています。


※FMSでは新艇の購入、乗替時に艤装の打合せをする場合、ベストフィッティングボートを提案することによって見積りを行っています。お気軽にお問い合わせ下さい。

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