P.95 マイボートスパンカーSP付 艤装の実際

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ヤマハFR-32の場合
この船は、ワイズギアが販売する巻き取り式スパンカーが標準オプション品に採用されているため、マストステップは最船尾のレールトップに位置させる配置が推奨されています。そしてサイドステーはトランサムから25cm突き出るステンレス金具が用意されています。今まで数多くのスパンカーが、この推奨配置で装備されているので、スパンカーセイルの展開収納はレールの上に乗って危険を伴う作業でした。

セイルパック付スパンカーですので、トップレールに位置させることもできるのですが、より良い作業性の向上とサイドステー用の突き出した金具使用しないために、マストステップはデッキに装備しました。(狭い場所でコーナーアールがあるためキングスターボード製のスペーサーを用意しています)

船尾からの船体金具取付けの様子です。下桁シートの船体金具は角度をよくするために低くして、さらにツナドアの邪魔にならない位置にしています。サイドステーは左右対称になりませんが、左舷はツナドアを避ける位置で右舷はベストなポジションに装備しています。

マストをデッキに装備することでサイドステー船体金具は船内に位置させることができました。また、ツナドアは180°フルオープンさせることができています。

スパンカーセイルは海上で風を跳ね返すことが役目ですから、強く下桁シートを引いてセイルを展開させます。そのためセイルのフット角は5°切り上げて製作しています。マストは喫水に垂直に建てるのではなくマスト半分ぐらい前傾斜させる習慣があります。

サイズはミディアムⅡSP付で装備しました。この船は漁船や遊漁船と比べると軽排水量で喫水も浅いので、これ以上大きなセイルは不要なはずです。大きなセイルなら風は受け止めてくれますが、船は風に流される力が大きくなり潮の流れに付いていけなくなります。

ヤンマーEX46
ヤンマーが誇るレジャー漁船で、漁業者ならスパンカーの操作性を重視してスパンカーマストは操舵機のメンテナンスハッチ(ビスで固定されている)部分の前に付ける方が多いように思います。一人乗り漁業者は落水の危険性を一番重要視しているからです。しかし、レジャーでこの船を使う方の多くはデッキを広く使いたいと言う理由で、通常のスパンカーを最船尾のトップレールの上に位置させています。

この船は、最船尾のデッキ上に操舵機のメンテナンスハッチ(ビスで固定されている)があり、操舵機がトラブルした場合を考えて棒ラダーをさし込むネジ式のデッキプレートが付いています。したがって、マストをデッキに位置させると、簡単にメンテナンスハッチが開かなくなるので、デッキプレートをデッキハッチ(外径280×380mm)に交換する工夫が必要です。

この船のオーナーは最船尾に大型クーラーボックスを置きたい要望があり、マストステップはステンレス製のマスト架台(製作費¥58,000税抜)を作り対策致しました。

マスト架台によってマストステップの1/2を前に出しています。このことにより船体取付け用のサイドステー用アイボルトをマストセンターより700mmの位置で左右対称に位置させることができました。

セイルパックは現在のところラージⅡまで開発できました。サンブレラ生地を使っているので多くの色の中から選択することができます。今回はカバー色紺で装備しました。写真では少し見にくいのですが、セイルカバーに付く黒いロープでファスナーの開け閉めをします。

ラージⅡSP付のセイルフット長さは2650mmですので、ほんの少しこの船には大きいかもしれません。しかし、この船のオーナーはヨットマンでもあることから、セイルの取扱には慣れているようなので効果的に取り扱ってもらえそうです。(穏やかな海ではセイルが少し大きめのほうが船は操りやすくなりますが、風が強くなると色々と障害が出てきます)

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