ボートエギングの基礎知識

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アオリイカをエギ(餌木)で釣る。今や遊漁船のメイン看板に掲載されるほど人気があり、シーズンには港の岸壁や磯でも手軽に出来ると人気が出てきたフィッシングスタイルです。そこでマイボートでも釣れない訳はないと挑戦してみました!何分初チャレンジのため、ここは私が釣りの師として尊敬する白井典照氏にご協力をお願いし解説しています。

1.マニアックな釣りだったアオリ漁
そもそもアオリ漁は、手漕ぎの小船で満月の夜の大潮という限られた釣況下で行なわれる釣法で、手バネ竿を使い10mほどの小ビシを付けた仕掛けの先に地方独特のエビ型の疑似餌を付け上下のアクションを加えて釣ったのが始まりだそうです。当時ローカルだったアオリイカは、伊豆半島や三浦半島では五島イカ・ゴットと呼ばれていたようで、古くはエビ型が九州鹿児島の発祥であったことが五島イカと呼ばれる謂われだそうです。九州地方では生体が透明なのでミズイカと呼ぶそうです。

2.対象魚であるアオリイカの習性
アオリイカは夜行性ですが日中でも薄暗い30m以下の水中でイワシや小アジが群れれば食い気を出して襲いかかります。基本的には太陽直下の真昼はカジメ等海草の裏に逆さになり寝ていますが、月夜の夜や水銀灯の下、停泊している船の灯りの明暗部でエサとなる小魚を追います。
この習性を利用し、昼間でも海草の中にエギを落としたり、水深30m前後にいる小魚の群れを魚探で探しその周りを執拗に攻めることでアオリイカは乗ってきます。

3. 用意するタックル
ロッド
短くて柔らかいことが最適とされている点が最大の特徴です。長さが1.2~1.8mと短いので1日中シャクリ続けても疲れが少ない上に、伸びが少ないPEラインを使用した場合でもロッドの柔らかさで身切れを防いでくれます。少し専門的な話になりますが、春から夏の深場狙いはやや硬め、秋は産卵の大型アオリと身の柔らかな新子アオリの対応で柔らかい竿が望ましいとされています。しかし、その差は非常に微かですのでマイボトのフィッシングでは遊漁船のように競い合うことがないため、そこまでタックルにこだわらなくてもいいのがこの釣りの魅力かもしれません。

リール・ライン
リールは小型の両軸受けリールで、ラインはPE1.5~2号を100m巻けば十分です。ライン容量が多くあるリールの場合は下巻きをしてフルに巻くことが重要です。

中オモリ・ハリス
中オモリは深さと潮の速さで8~15号を使い分けします。ハリスは4~6号で長さは2ヒロ(3.2m)~3ヒロ(4.8m)。フロロカーボンの使用も可能です。

エギ(餌木)
昔ながらの木製のエギは非常に少なくなり、現在では発泡剤による製作が主流となっているためどのメーカーの物も水中でのバランスの誤差は少なくなってきています。サイズは3.5号と4号の2種。カラーは本体テープ色が赤、金、夜光で背中の色がピンク、オレンジ、ブルー、グリーンの4色が主流。したがって基礎的なシーンを想定してエギを用意すると、サイズ別カラー別各2本で合計16本程度あればまずは良いと思いますが、根掛かりのロスを考慮に入れ夜光ボデーを含めると20本の準備が欲しいところです。また、この釣りの面白さはその日その時間帯での当たりエギを的確に探し出すことにもあるため、経験に比例してどんどんコレクションが増えていってしまうようです。


注)、初心者の方の入門用として、P.92にボートエギングセットを用意いたしましたのでご利用ください。

4.ポイント 
基本的には根についた小アジの群れの周辺が最適なのですが、小アジが群れて活性する条件は1日数回なのでなかなか出くわせません。そこで25~35mの根を探るカサゴ、カワハギ等のポイントを中心に探るうちに魚の反応に当たりますので、その時などは最高のチャンスだと言えます。
その他、根の見つけ方として簡単なのは漁師が仕掛けた旗と旗との間に幾つものペットボトルが転々と浮いている底延縄を見つけることです。この縄は起伏がある根の周りに仕掛けられているため両端の旗の近くがポイントとなりますが、この縄に掛けないように十分注意して魚探を見ながら掛け上がりを狙います。さらにまだまだあります。朝夕のアジ狙いのコマセを使っている船の潮下(邪魔にならない範囲の場所)でもアオリイカの活性はあります。目安としてアジが釣れ盛っている時にはアオリイカはアジの群れから遠のき、アジの喰いが止まったら群れを襲っていると考え常に海底での動きを予測してポイントを探ることも面白さであると考えます。

5.船の操船と釣り方 
スパンカーがある船は有利ですが、無い 船でも船尾を風上に向けてアスタン(後進) しても波をかぶらない程度なら十分釣りになります。図1のタックルをスタンバイしPEラインを手で引けば出る程度にドラグを調整し、いよいよエギの投入です。基本的にエギは風上に投げ入れるように投入し同時にリールをフリーにします。その際早く落とし込むために竿先を海面近くに向けることでガイドの抵抗を少なくします。海底には中オモリが先に着きますので竿先にその感触が伝わったら、素早くリールを巻いて海底より中オモリを4m上げそこからシャ クリを繰り返します。シャクリのやり方ですが、竿先を海面近くに下げ肩から肘を動かさない鋭いシャクリで目の位置で止め、重さを感じなければまた海面まで竿先を下ろし5~7秒待ちます。ラインが張った状態で1.5m鋭くシャクリを入れるとエギは一時的に中オモリより跳ね上がりそこからゆっくりと泳ぎ6~7秒でハリスが直線になり竿先に感触が伝わってきます。アオリイカはこの6~7秒間にエギを押さえエギの背中をかじるのです。そしてシャクリ動作でアオリイカは針にずれ込みヒットするわけですがその際、針が海草に掛かったような感触で竿をためて待つとグイグイときます。サイズにもよりますが3~5回の引きに耐えるとおとなしくなり海底から水の入ったビニール袋を引っ張り上げる感触で巻き上げ中オモリ、そしてハリスを素早く手繰りよせランディングします。以上が一連の動作で、ボートはその間できるだけ風に流されないようにポイントを維持するのですが、ポイントを通過してしまったら戻って何度も繰り返し責めることが必要です。活性の無いアオリイカは幾度となくエギに近づいて蝕取足を伸ばしてきますが、シャクリ動作やエギの角度、エギのカラー等のわずか な違いで釣果に影響しますので色々な対策を考える必要があります。 
乗り気のないアオリイカにロッド操作によってスピーディーでメリハリのある動きを演出し興奮させて活性を上げる。こうなるとアオリイカは体色をみるみる変化させ、もうエギに釘付けで他は何も見えない状態になり襲いかかる。ボートエギングが飛躍的に脚光を浴びたのは、このようにロッド操作などによって乗り気のないアオリイカの活性を高めテクニックで勝負する世界があることが要因であるのではと考えます。

6. エギ(餌木)のカラーに関して
朝日が上がる頃、夕日が西に傾く頃、ダイビングをした経験がある方は見たことがあると思いますが、イワシのうろこはピンク色に見えるし、アジの群れはオレンジ色に見えます。まさしくこれが海の中の世界であり、このように見えるのは太陽光線が魚のうろこに反射して青いイワシをピンクに変えてしまう時間帯が発生することを意味しています。したがって、釣りに使うルアーのカラーはこのような海の要素を取り入れて作られており、一般的には朝や夕まずめはピンク系やオレンジ系、そして太陽直射の日中は青系、曇りは緑系と使い分けることも重要な要素となります。エギのカラーに関してはまだまだ様々な海の要素が加わり、特に水色は大きく影響します。澄潮や濁潮では細やかなカラーの選択が必要で、海中で中和する色や目立たない色が良い時もありますので、ひとつのエギに固執せず他に大当たりするエギがあるのではと常に疑ってかかるほうが大当たりに繋がるようです。

7. 置き竿釣法
マイボートだから出来る釣り方の紹介です。掛かり釣りでアジ・イサキを釣っている場合、コマセを投入して1時間ほど経つとコマセに寄った小魚を狙いにアオリイカが近くにいるケースが多くあります。そんな時にぜひやってもらいたい釣り方が図2の仕掛けの置き竿釣法です。ロッドキーパーにセットしておけばボートのローリングやピッチングだけのアクションでアオリイカが勝手にエギに乗ってきます。ぜひ試してみてください。

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