トローリングの基礎知識と方法(ライトトローリング編 Ⅰ)

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前項『曳釣りとトローリングの違い』で説明していますが最も大きな違いは、曳釣りが素手で仕掛けを操作するのに対して、トローリングはロッド・リールを使って魚とやりとりをするということです。したがってトローリングでは、流す曵具の抵抗がリールのドラグ装置のキャパシティーを超えるようなものを使用することはできません。その他多少異なる点はありますが、流し方は基本的に曳釣り漁法(表面曳釣り・中層曳釣り)と同じで、使用する曳具に多少の違いがあるのが特徴です。

日本の沿岸に群れ集う回遊魚。ボートを低速で走らせながらルアーで魚を捕らえるトローリングは、黒潮の流れる外洋まで出向かなくても、陸からほんの少し離れた沿岸で小型ボートでも楽しむことができるボートフィッシング。中でもリーズナブルな価格で揃うタックルと軽装備で行うことができるのがライトトローリング。日本沿岸でトローリング対象魚がよく釣れるようになった今日、ライトトローリングの人気はかなり高くなってきました。そこで、当コーナーではライトトローリングに必要なフィッシングタックル、基本的なタックルの装備の仕方と船への配置を説明し、使用できるティザーやルアーの紹介、そして、ライトトローリングの方法までを、写真を解説するスタイルで紹介します。仲間や家族と力を合わせて行うトローリング、手軽なライトトローリングから是非始めて見ませんか!

1.ライトトローリングに必要なフィッシングタックル
日本の沿岸にはさまざまな海流が流れ、季節によって多彩な回遊魚が集まります。中でも多く釣れる対象魚として、サバ、イナダ、ハマチ、シイラ、カツオ、メジマグロが代表的ですが、その多くは1〜10kg前後のサイズ。初めてトローリングを行う場合を含め、これらの対象魚に対して適切なロッド、リールのクラスは20〜30ポンドと考えています。この20〜30ポンドクラスとは約9〜14kgのライン強度を示す単位で、ここに紹介するロッド、リールはこのラインの強度に対して適合するクラスを示しています。まずロッド、リールを選び、それに適合するその他必要なフィッシングタックルを当マリンカタログ内より選定しました。最少限これだけ用意すれば、ライトトローリングを楽しむことができます。

❶スペシャルセネター 20ポンドセット(スペシャルセネターロッド3135ARS+スペシャルセネターリール112H-3/0ライン付)¥66,000(税抜)
❷スペシャルセネター 30ポンドセット(スペシャルセネターロッド3145ARS+スペシャルセネターリール113HLW-4/0ライン付)¥69,900(税抜)
❸20ポンドセット(PENNインター 2040RSロッド+ SHIMANO ティアノス20ライン付) ¥116,500(税抜)
❹30ポンドセット(PENNインター 3080RSロッド+ SHIMANO ティアノス30ライン付) ¥131,500(税抜)
❺ロッドセイフティライン1.5m ¥2,200(税抜)
❻レギュラーギャフ 353H ¥17,400(税抜)
❼フィッシュバット ¥6,000(税抜)
❽ショルダーハーネス ¥16,000(税抜)
❾ベルトハーネスNO.30175 ¥9,600(税抜)
❿フィッシンググローブ ¥4,800(税抜)
⓫レザーロンググローブ ¥3,500(税抜)
⓬アウト・ローバー(左右セット) ¥10,800(税抜)
⓭潮切りヒコーキ(左右セット) ¥4,400(税抜)
⓮高知型カツオヒコーキ 33cm ¥1,200(税抜)
⓯潜行オモリセット ¥7,500(税抜)
⓰ラパラチューブスケール ¥2,980(税抜) ※写真と異なります。詳しくはp65を参照下さい。
⓱トローリングルアーセットA-1 ¥48,000(税抜)
⓲タックルボックス予備品&補修キット A-3 ¥28,000(税抜)
※❸❹は写真と異なります。詳しくはp70を参照ください。

2.基本的なタックルの準備の仕方と艤装品の船への配置
素手で仕掛けを操作する曳釣りと違って、トローリングに使用するラインは細く大変デリケートで、ロッドやリールなどのタックルに頼るため、ラインの強度に合わせたリールのドラグ調整等を確実に行って、トラブルが起きないよう、入念にタックルの準備をしておかないと、魚とのやりとりはできないことになります。また、それらのタックルを利用して行うライトトローリングは、小型フィッシングボートであっても、ロッドホルダーやロッドラックの設備は必要最少限ないとフィッシングになりません。流せるラインの数を増やすことができるアウトリガーなど、基本的には必ずしも必要ではない物もありますが、用意したタックルの船への配置は安全でスムースなフィッシングを行う上で、大変重要な要素になります。

ラインスプーラ−を利用してリールにラインを巻いています。このとき重要なことは、設定するリールのドラグよりも強くリールにラインを巻き込むことです。ゆるく巻き込んでしまうと魚がヒットしてラインが出る際、リールに巻かれているラインの中に食い込み、ラインが切れる原因になってしまいます。また、リールシートにリールがしっかり固定されていることも確認して下さい。リールがグラグラしていると、安定してハンドルを回すことができません。

トローリングではダブルラインを作ることが基本とされています。これは、ラインを二重にして強度を上げることが目的ですが、特に大物を狙う場合、ダブルラインまでリールに入れば強度は2倍になり、リーダーが取りやすくなります。また、スイベルの金属部分の接合(スイベルノット)をする際にも役立ちますが、この部分の接合が甘いとラインは切れてしまいますので、注意が必要です。実際のラインの作り方に関しては資料をご請求下さい。

リールのドラグ調整は、トローリングを行う上で一番重要な準備です。ラインの強度に合わせて行う作業は、バネ計りを利用して、設定しようとする強度のところでドラグが滑り始めるポイントまで何回も設定して調整します。特に注意する点は、バネ計りを持つ測定者がリールのクリーク音が「ギー」と走るように出るところまで、魚が実際にヒットした瞬間を想定して作業する必要があることです。

●艤装品の船への配置
今回、このライトトローリングの実際編で使用した船は、ミヤマ造船(株)の小型フィッシングボートにホンダ4サイクルエンジン75馬力をセットしたHONDA MFC215HA。全長6.85mに対して全幅2.32mを確保し、センターカデイのウォークアラウンドデッキで、アフトコクピットは広いスペースを有しています。さまざまなフィッシングに対応できる使い勝手のよいボートとの出合いです。まず装備したのがライト級アウトリガーシステム。キャビン出入り口のたて壁をはさみ、一番強度がある部分にベストフィッティング。この船は、キャビンと船体、FRP積層も厚く、このクラスの船としては構造的強度が非常に高く、艤装のしやすい船でした。ロッドホルダーは、トップレールの幅が狭いためマイボートロッドホルダーと後部のハンドレールを利用して、ポールタイプのロッドホルダーでまとめています。また主にストライクしたときにロッドを整理するためのロッドラックとして、FRPトップの両舷のパイプにポールホルダーを2個、さらにアウトリガー前キャビンサイドに2連のタックルラックを両舷に装備しています。これは、ギャフやタマのラックとしてもベストポジションです。また写真でも分かると思うのですが、ロッド・リールの転落防止用ロッドセイフティラインの船体側エンドをハンドレールに取ったので、他の部分にクリートやアイは装備していません。そして、船外機両モーターウェル部のたて壁にロッドラックを取り付け、番外編ですがトロールドラムウィンチをセットしています。アウトリガーを中心にロッド・リールを4本セットして、さあ、いよいよフィッシングのスタートです。

●アウトリガーシステムを装備していない場合
アウトリガーシステムの装備がなくても、基本的に他の装備は全て必要になると考えます。
左右両外側に向かって泳ぐティザー(潮切りヒコーキやアウトローバー)の出現によって、アウトリガーがなくても、表面(表層)を曳くトローリングの場合、ルアーを4本流すことが可能になりました。今まではロッドホルダーを4本にするか2本にするかをアウトリガーの有無によって決めていましたが、これからは、どうせ装備するなら4本にしておく方が望ましいようです。

ライトトローリングに必要なフィッシング艤装
●ライト級アウトリガーホルダー Fig88508 ¥99,000(税抜)
●FRPポール タイプ A-1(全長4.5m) ¥78,000(税抜)
●ハリヤードラインセット A-1 ¥23,000(税抜)
●マイボートロッドホルダー(PL座セット付き) ¥16,800(税抜)×2
●ロッドホルダーポールタイプ Fig1215 ¥11,800(税抜)×4
●タックルラック DTRP-2 ¥4,500(税抜)×2

●アウトリガークリップの調整の仕方
ラインを輪にしてクリップに通し、バネ計りで計ります。一般的な目安としてリールのドラグに対して30〜40%でクリップを調整します。対象魚が小さければ弱く、海が荒れていれば強くといった要素を考慮に入れることも必要になります。

リールのドラグの調整範囲:20ポンド/ 2.2〜3.5kg 30ポンド/ 3〜4kg

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