魚はどんなところにいるのか

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魚のいるポイントで船を保ち、船から仕掛けを下ろして行なう方法を下げ釣り(ボトム・フィッシング)といいます。
この方法で大漁を狙うならば、魚のいるポイントを正確に掴み、喰いのたつ状況、潮時を把握することに尽きます。
魚のいる場所を見極められなければまず大漁は見込めません。
曳釣りとトローリングでもこれは同様で、広い海をただ漫然とボートを走らせていたのでは決して魚を釣ることはできません。

季節的にみた魚の居場所
根付きの魚や底ものを中心に狙う下げ釣り(ボトム・フィッシング)に対し、曳釣り、トローリングの対象となる魚は、一般に回遊魚と呼ばれる魚が中心です。それらはカツオやマグロといった魚に代表されますが、ある一定の期間をかけて日本の沿岸を巡り、索餌しながら移動していくという習性を持っています。いずれの魚も遊泳力に優れた、紡錘型の身体を持っています。
これらの回遊魚は、その年によって多少の差はありますが、ほとんど毎年同じ時期に同じ場所に出現します。
春の訪れを告げる桜の花が咲く頃に、南から北上を開始するカツオのことを “上りカツオ”と呼びます。上りカツオは、黒潮と親潮がぶつかり好漁場となっている東北海域まで北上するといわれています。そして夏から秋にかけて南下を始め、往路に沿って戻り11月頃に、東海付近に出現します。このカツオを“下りカツオ”と呼んでいます。上りカツオ、下りカツオは、それぞれ毎年3~11月頃にかけて、ボート・フィッシングの絶好のターゲットになっています。
カツオと並んで曳釣りのターゲットとなるのがクロマグロで、一般に小型のものはメジマグロと呼ばれています。カツオ同様、日本では代表的な暖流性回遊魚で、毎年5~6月頃、若魚が九州方面より北上し、7月頃東北海域へと達します。メジマグロは、黒潮前線域で秋まで停滞して、10月頃南下を始めます。太平洋岸を含め、日本海、北海道の沿岸では、8~3月頃、0.5~4kg程度に成長したメジマグロを、曳釣りの対象魚として楽しむことができます。
ブリも3~5月までの時期を中心に、太平洋岸、日本海岸で産卵し、その子供が毎年6~11月にかけて日本各地の沿岸に出現します。
回遊魚はこのように、毎年だいたい同じ時期に定まった場所に回遊してきますので、そうした魚の習性、回遊時期を憶えておくことが、フィッシングを楽しむ上では重要です。

時間による魚の居場所の変化
食物連鎖という言葉をご存知でしょうか?イワシなどの小魚がプランクトンを食べ、さらにイワシなどの小魚を大型のカツオやマグロが食べるという…アレです。魚の居る場所を掴むのに、餌となる生物の存在は、重要なファクターになります。カツオやクロマグロ(メジマグロ)などは、餌となる小魚を追いかけながら、大群で回遊しています。この群れは、日周的な周期で、刻々と変化しています。
水平線に太陽が現われ、あたりが白み始める夜明け。プランクトンや小魚は、海面近くに浮上してきます。するとそれを追って、回遊魚も浮上してくるのです。やがて日が高くなり、太陽光線が強くなるにしたがって、小魚は下層に沈下したり、物陰に隠れるような行動をとります。そして太陽が西の空に傾くと、再びプランクトンやそれを求める小魚が海面に浮上し、それを求める大型魚も浮上してきます。このような日周運動が海では毎日続けられています。
したがって、一日のうちでも各時間に合わせた(つまり魚のいる深さに合わせた)釣り方が必要になってきます。ただし、以上のようなケースも、天候や潮流、水温などが複雑に絡み合い、一概にいえるものではありません。そこで、自分なりの経験を積み重ねていくことが大切になってきます。

潮の状況からみた魚の居場所
澄んだきれいな潮と濁った潮がぶつかり合う場所のように、違った種類の潮が接し合う付近を潮目と呼んでいます。そして日本の沿岸で一番大きな潮目と呼べるのが、暖流と寒流がぶつかり合う地点といえるでしょう。潮目付近には、はるばる流されてきた藻や流木、浮遊性のゴミなどが集まり、それを拠り所とする小魚が多数集まります。そして、シイラやカツオ、クロマグロ(メジマグロ)なども集まってきます。したがって、潮目を探し出すことが、大漁への近道につながるのです。
さらに海の潮は常に変化しています。この変化は、地球を含めた天体の動きに密接な関係があるのですが、月の満ち欠けに伴って、大潮、中潮、小潮と潮の動きに変化が生じます。中でも潮が大きく動く時、多くの魚は餌を求めて活発に行動します。ブリやヒラマサなどを大潮で潮廻りの良い時に大釣りできることがあるのも、このためです。
今まで澄んでいた潮が濁ってきたり、濁っていた潮が澄んできたり、潮の色が変化する場合があります。これは “変わり潮”と呼ばれる現象です。このケースでは、一般的に潮の変化した後より、変わる前の方が魚は多く釣れるようです。
潮に関係したもう一つの事柄として、海水の温度があります。魚にはそれぞれの種類によって、好む水温があります。魚は、こうした水温の変化に敏感に反応し、急激に水温が変化すると餌を求めなくなります。特にカツオやカジキ、クロマグロ(メジマグロ)などは、好む水温帯を求めて常に移動しています。周囲の水温が少しでも変化すると、回遊魚の移動は非常に早いようです。

鳥山を発見する
ミズナギドリなどの海鳥が大群を作り、先を競って海の中に飛び込んでいるような状態を “鳥山がたつ”と呼んでいます。こうした海鳥たちは、空を飛びながら回遊魚の行動を観察しています。そして、回遊魚がイワシの群れを発見し追い始めると、何百、何千という鳥が集まってきます。
水中では、カツオなどの回遊魚の集団が、小魚を遠まきにしながら追いつめます。小魚は一塊になって逃げ回り、あるものは水面へと飛び跳ねます。その様子を見ていた海鳥は、急降下して海中へ飛び込み、回遊魚が追っていた小魚のおこぼれをいただくのです。これが鳥山のできる成因なのです。
ただ、鳥山ができる要因となる魚にも、さまざまな種類があります。小魚を追っている魚が、カツオであったり、ブリであったり、ソウダガツオやサバ、サワラであったりとさまざまです。したがって、どの魚でできた鳥山かを判断するのはなかなか難しいのですが、だいたい鳥山の動きや、移動するスピードを目安にして判断しています。
鳥山の移動は非常に激しいのですが、これはイワシなどの小魚が逃げた方向へと、全力で追いかけているからです。当然、小魚の動きに対応して、水中の回遊魚も移動します。そこで、曳釣りやトローリングをする場合は、鳥山をめがけて速やかに移動することが大切です。そして、表層での曳釣り、トローリングを行なうわけですが、水面を跳ねる魚の何十倍もの魚がその下層を移動していますので、中層釣りも併用して行なってください。
鳥山のできた魚群の中にうまく疑似餌を流すと、かなり高い確率で魚を釣ることができます。このため曳釣り、トローリングを行なう際は、鳥山をいち早く発見することが重要になってくるのです。また、鳥が休んでいたり、活気のない “にせの鳥山”もありますので、よく観察してください。

根付きの魚を狙う
前述した季節による回遊とは関係なく、一定の場所に住み着いている魚を、根付きの魚と呼んでいます。根付きの魚はあまり遠くへ移動するということがないので、その場所へ行けばいつでも狙うことが可能です。したがって、根付きのポイントをいくつか憶えておくと大変便利です。
根付きの魚として曳釣り、トローリングの対象になる魚は、スズキ、ブリ、ヒラマサ、カンパチなどですが、1日のうちでも餌を求める時間帯が短く、2~3匹釣れたと思ったら、ぱったり釣れなくなるケースも多いようです。それでも、台風の前後や潮の変わり目などには、馬鹿喰いすることがありますので、そういう条件の時に狙ってみるのもよいでしょう。

流木、サメ付きの魚を狙う
流木などの漂流物や “サメ付き”と呼ばれるジンベイザメなどの大きな魚に付いて、移動している魚に出会うことがあります。めったに出会えるチャンスはありませんが、そんな機会に巡り会えば、大漁は約束されたと同じものです。
流木やサメに付く魚には、カツオを中心に、クロマグロ(メジマグロ)、シイラ、ヒラマサ、カンパチなどがいます。魚群の警戒心が案外少なく、そばに寄ってくる餌にはかたっぱしから喰いつくので、疑似の種類などを気にしなくても釣ることができます。
また流木とは違いますが、海上に浮かぶ電波塔やブイの周辺などにも、魚が集まっている場合はあります。
このような場所や、魚のいそうなポイントを見つけることも、曳釣りやトローリングの一つの重要な技術といえます。また、付近の定置網に狙っている魚が入ったというような、さまざまな情報に耳を傾けることも必要です。

 

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