P.5 アウトリガーフィッティング

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ロッドホルダーに収めたロッドとアウトリガーポールとの位置関係 
●トローリングの場合

アウトリガークリップなどを使用してトローリングを行なう場合、ストライクした後に、ラインがスムーズに出ることが重要です。また、魚がかかった際に、ラインの弛みをできるだけ少なくするために、ロッドトップA点からアウトリガークリップを経て、ルアーとつながるラインを、できるだけ直線的に構成したいものです。そうすることで風や波がある場合、ロッドからのラインがアウトリガーポールに絡まることも防ぎます。ただし、アウトリガーを後傾させることで、アウトリガーが持つ本来のメリット(ルアーとルアーの間隔を広くできるなどの点)が犠牲になり、角度をとれば取るほど(後傾を大きくすればするほど)犠牲は大きくなります(イラストⅠ)。

そこで、実際の取り付けを考えてみることにします。ロッドホルダーにロッドをセットし、そのロッドトップA点からボートに対して垂直に見た線上より、アウトリガー ・クリップの位置が後方にくるようにポールをセットするのが理想とされています(イラストⅡ)。

この基準をクリアーすれば、アウトリガーポールに魚がヒットした場合、クリップにラインテンションがかかり、アウトリガーポールは弓なりに曲がるのでヒットの瞬間は、さらにクリップ位置が後ろへ移動するので、良いアングルを得ることになります。一方、アウトリガークリップを使用せず、ゴムバンドを使ってラインを流す場合は、(イラストⅢ)のような予備ラインをセットすることで、スムーズなラインの角度が得られます。こうすればアウトリガーの長さも有効に使え、そのメリットを最大限に利用できるわけです。ただし、ルアーや魚のサイズにより、ゴムバンドの強さの選択が必要になります。またこのシステムでは、一度セットした後のラインの出し入れ時に、一回ずつゴムバンドをセットし直さなければならないという面倒な部分があります。


通常アウトリガー用のロッドホルダーの角度は上図のようにBの位置以内にすることが望ましく、魚の力により一気に出るラインの抵抗を考えると、できるだけロッドトップからラインの出る方向が一直線になる方がラインブレイクを防ぎます。

●曳釣りの場合
予備ラインをセットして行なうトローリングと同様、曳釣り用ポールラインを使用すれば、曳釣りを行なう場合アウトリガーポールのトップの位置がどこにあってもあまり問題にはなりません。しかし、アウトリガーシステムが長ければ長いほど、効果が得られる点を考えると、できるだけ外に出し、ポールのもつ反発力も十分に得られるようにしたほうが良いはずです。
一般的に曳釣りの場合は、操船者がアウトリガーポールのトップを見て魚がかかっているのを知ることが多いので、運転席から見やすいポール位置が良いとされています。(イラストⅣ)では、曳釣り用ポールラインをハリヤードラインに接続する形で使用し、トローリング(スポーツフィッシング)にすぐに切り替えられるように、セットされています。専業になると、少しでもトラブル率を減少させるため、ポールのトップに直接セットする場合が多いようです。

海面に対するアウトリガーポールの角度

波や風がある場合、ボートはローリングします。そのローリングの角度が25度を超えると大変危険でフィッシングを楽しむどころではなくボート自体が危険にさらされます。
アウトリガーポールは、長ければ長いほど遠くに曳具が曳けるので有効なのですが、30度以下の角度でセッティングすることは、ポールトップが水中に突っ込むなどの危険性を考えて避けなければなりません。また、角度を決定する他の要素としては、曳くルアーやヒコーキ、バクダンといった曳釣り用具があり、用具によって角度が多少異なります。
これらに関しては、いろいろな経験に基づく理論も多いので一概には言えませんが、フレキシブルに角度を変化させられるシステムを導入することで対応することができます。したがって30〜40度というセット角度を目安として、フィッティングするのがよいということになります。

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