掛かり釣りに使用するロープとアンカー

3.掛かり釣りに使用するロープ
海底に食い込んで効いたアンカーにとって、船体とアンカーとの間を結ぶロープは、船体の抵抗と潮流の影響を受けて船とアンカーを結ぶ働きをしています。さらにアンカーの投入、引き揚げなどの作業性にも影響するので、ロープの役割をよく理解して適切なものを選んで使用することが必要です。掛かり釣りに使用するアンカーロープは、長く使用するため縒りがかかりづらく、扱いやすいもの、潮流の影響を受けやすいので、水に沈み細く強度のあるもの、素手やウィンチによって作業するため、手触りが良くスレに強いもの、最後に根掛かりなどして最悪の場合アンカーとともに捨てることにもなるので、できるだけ安価なものということになります。これらを総合すると、三ツ打ちよりも八ツ打ち(クロス)ロープ、クレモナよりもナイロンということになり、まだまだ種類(16打、32打、テトロン)はありますが、コスト面なども考え合わせると掛かり釣りに使用するアンカーロープは、FMSではナイロンクロスロープが適切と考えます。

掛かり釣りの場合、ロープの長さは海底での根掛かりや岩礁での傷みなどを考えると、ロープの1巻は200mの長さであるため、1巻か少なくとも100mという単位で使用するのが望ましく、ロープの太さ(強度)に関しては通常少なくとも船体重量(排水量)の1/2以上の強度のものを使用するのですが、ナイロンクロスロープは比較的強度があるため、潮流に影響する太さや手触りで選ぶほうが適しているといえるでしょう。船の適合サイズとして40フィート以下で16〜14㎜、35フィート以下で14〜12㎜、30フィート以下で12〜10㎜、25フィート以下で10〜8㎜、20フィート以下で8㎜という目安ですので参考にして下さい。

4.掛かり釣りに使用するアンカー
アンカーには、外国製品、日本製品とさまざまな種類があり、さらにはいろいろな工夫を凝らしたものなども含めると非常に多くのものが出回っています。そして、それらのアンカーにはいろいろと特性があり、長所や短所がありますので、実際に選ぶ場合、それぞれの違いを良く理解して適切なものを選ぶことが最も良い方法です。すべてにオールマイティーで、船に収納しやすく、ましてや掛かり釣りに適したアンカーとなるとなかなか無いのが現状です。ここでは多くのアンカーの種類の中からフィッシング時にアンカーを打つ場所として多い海底の底質に合わせて、掛かり釣りに使用する5タイプのアンカーを紹介いたします。

船の適合サイズは、あくまでもチェーンを3m以上付け掛かり釣りする場合の適合目安であり、
一昼夜停泊させるアンカーリングの船の適合サイズではありません。

底質が砂泥地に適したアンカーであり、米国ダンフォースアンカーに似せて国内で生産されたタイプであり、比較的安価なタイプです。最悪、根掛かりさせた場合などもクラウン部分の穴を利用して回収用ロープなどで引き抜くこともでき、いろいろと工夫ができることが特徴です。いろいろなメーカーでこのダンフォース型アンカーを生産していますが、選ぶ時にはシャンクとフルーク(ブレード)の開きの角度に気をつけて下さい。最も最良とされているのが30〜35°であって、その範囲をこえるタイプはいくら海底と平行に引いても食い込みにくいので注意が必要です。

砂泥地から岩礁地帯までいろいろな底質に効きめのある比較的万能なタイプです。岩礁地帯では根掛かりさせて効かせ複雑に絡み合った岩礁に入りこんだ場合でもストック(エンビ管棒)が曲がることで抜錨することができます。さらにストックは取り外しできるので、ボートへの収納も便利です。またストックをエンビから鉄などの折れにくい材質に替えることによって砂泥地でもより確実に効果を発揮します。
(ステンパイプ入エンビ管棒に関しては、エンビ管棒では少々弱すぎる時などにご使用下さい。)

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