係船の基礎知識

通常係船をする場合、係船索として❶バウライン、❷スターンライン、❸❹スプリングラインが必要です。ホームポート(自船の海上係留バース)では、十分な係船索を常備しているとして、寄港先でも一時係留できる係船索を船に搭載する必要があります。係船索は基本的に縒りがかかりづらく、扱いやすく、擦れに強いロープで、ロープの太さ(強度)は船の排水量(船体重量)以上が必要で長さは、ヨコ付け、タテ付け、複数艇の横抱き係船も考えると、船の全長で2本、全長の2倍で2本の合計で4本は最低必要です。さらに短いロープを2本、船の大小の関係なく用意すればベストです。

CHECK POINT
寄港地などで岸壁や桟橋で入港の際、自船のクリートに係船索の端を止め、ロープを陸側に向かってほうり投げ、陸にいる人がビットやクリートにあわてて止めているケースを見かけます。
この方法はまったく逆であり、陸側の人に係船索の端(ループ側)を渡し、ビットやクリートに固定したことを確認して、操船で船をコントロールしながら船側でロープを調節してしぼり込んで係船することが基本です。
○FMSが選ぶ適切なロープの使い別け
アンカーロープ ナイロンクロスロープ(軟打)
係船索(海上バース用) ダクロン12打ロープ
係船索(船に搭載用) ナイロン、ダクロン12打ロープ
○ボートサイズによるロープの太さと長さの目安
ボートサイズ ロープの太さ 長さと本数
〜25フィート φ12〜φ14mm 7.5m、10m各2本+4m×2本
〜35フィート φ16〜φ18mm 7.5m、10m各2本+5m×2本
〜40フィート φ20〜φ22mm 10m、15m各2本+6m×2本
〜50フィート φ24mm 10m、15m各2本+7m×2本

片側ループの便利な利用法桟橋などの係船クリートに固定する場合、クリートに1周巻いて固定すれば係船索がゆるんでもスポーンと抜けないですみます。

とても大きなビット。こんな場合でもループの中に ロープを通し、大きな輪にして掛ければ簡単に固定することができます。
注)係船索は片側をループ加工しておくと上記のようにとても便利ですが、1個の係船具に数本の係船索を共有する場合は、ボーラインノット(もやい結び)で固定して下さい。お互いに不自由無く出港時に解らんできます。

一覧へ戻る