P.242 チーク材とキングスターボード

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古来、豪華客船や多くの船舶に使用されてきたチーク材。害虫にも強く、大変丈夫な上、熱帯の大自然に育まれた素朴さと美しさで、人々にゆとりとやすらぎを与えてくれるチーク材、よく乾燥し板材の変形が起きにくい柾目の幅が広い板は高価でもあり、手に入りにくい材料になってきました。また一方では、米国を中心に船舶の特に外部に使用する材料として、メンテナンスが必要なチーク材に代わる新しいタイプの材料、キングスターボードが登場してきました。
そこで当コーナーでは、高価にはなりましたがまだまだ需要があるチーク材と、新しいアイテムであるキングスターボードとを素材から説明し、実際の加工例なども取り入れて紹介します。

チーク材とは
チーク材は現在、東南アジアで多く栽培され、マホガニー、ウオールナットとともに世界的にとても有名な高級銘木とされています。材質は硬く、伸縮性が小さく、耐候・防水性に富み、特に抗菌・防虫性に優れているため、強く大変丈夫な材料として古来帆船や豪華客船の甲板材、内装材等に多く使用されてきましたが、近年では資源の減少と素材の乾燥加工等の難しさのため、素材コストや運搬コスト等で非常に高価になり、一般的には手に入りにくい材料になってきています。しかしながら今日、熱帯の大自然に育まれた素朴さと美しさを兼ね備えた木として、チーク独特の色調と温かみを好む人が多く、プレジャーボートやヨットの内外装材としてまだまだ需要があるのが現状です。

キングスターボードとは
キングスターボードは、高密度のポリエチレンにUV抑制剤と色を加えたマリングレードの優れたポリマーシートです。この製品は、強い日差しや厳しい海洋環境に耐えることができ、腐食したり変色したりせず、また水を吸収しないので、特にスイミングステップやアフトコクピット等の設備で、水との接触が多いいかなる場所にも適した材料です。特別な工具は必要ありません。一般的な木工具を用いてデザインは思いのままにたやすく加工することができます。特に切断性に優れているので、ツールホルダーやカップホルダー等の小さな部品製作にも適しています。
厚さは、1/4、3/8、1/2、3/4、1インチとあり、1枚のサイズは最大で54×96インチ1371×2438mm)。
種類も標準仕様の物と、気泡が入って30%軽量化された物や、表面がパターンによって滑り止めが施された物などがあります。現在、キングスターボードの一般的な加工品としてハッチ、ドア、ハンドレール、ステップ、ロッドラック、カップホルダー、チェアー、ボックス、骨組み材や装飾品等があり、メインテナンスが必要なチーク材に代わるものとして広く利用されるようになってきているのが現状です。

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